家とは反対方向の郵便局へ

北川さんが2度目の事故を体験したのは2025年1月22日の夕刻だった。日にち、時間まで彼女は忘れていない。その日の夕方、彼女は仕事を終えて、自宅に帰るために車を運転していた。冬のことだから、あたりは薄暗くなっていた。

「仕事を終えて、自宅に帰る途中でした。その日はお給料日でした。ふと、郵便局へ寄って通帳に記帳をしておこうと思ったんです。特に記帳する理由はありませんでした。記帳するにしても、その日でなくてよかった。しかも郵便局は自宅へ向かうのとは反対の方角にあるから、行かなくてよかったんです。

『郵便局に行かなくていい。記帳しなくていいんじゃないか』と思いながら、郵便局へ向かったわけです。おかしいですよね。でも、そんなことって、人間、あるじゃないですか。

細い道を運転して、急いでいました。行かなくてもいい場所なのに、急いでしまったんです。細い道同士の交差点に差し掛かった時、ほんとはそこは一旦停止しなくちゃいけなかった。自分としては一旦停止したつもりでした。その時でした。横から来た車にぽんとぶつけられてしまったんです。

ドライブレコーダーがしゃべった

交差点内の事故でした。信号はありません。『ああー!』となりました。相手の若い女性と立ち話をして、『警察呼びましょう』と。相手の方は通勤途中で会社の車を運転されていました。そのときドライブレコーダーから声が聞こえてきました。

『事故ですか? 大丈夫ですか?』

ドライブレコーダーに通信機能が備えられていて、通話ができたんです。事故を起こしてから1分くらいの感じでした。

すぐに、警察官がやってきました。ドライブレコーダーのオペレーターの人は『では、警察の方を優先してください』といったん、切りました。オペレーターの人はデータが飛んでいるので、私が詳しく説明しなくても事故が起きていた状況を把握していたんです。現場検証して、警察官から、『一旦停止をしていませんね』と言われました。事故の処理はそれで終わりです。

後で聞いたら、オペレーターはドライブレコーダーの映像とデータで事故の前後の状況はすべてわかっていたそうです。場所、事故の度合いもすべて把握されていました。

事故の処理もすぐに済みました。私が8割で相手の方が2割。私の車の損害は私が払う。相手の車の損害のうち、8割を私が払うということですぐに決着しました。データがあるから過失の割合もすぐに出たんです。私は保険を使って相手と私の車を直しました。その後、保険料が高くなりましたけれど。