「それを証明できる人はいますか?」

彼女はこう言った。

「4年前のことですが、ドライブレコーダーを付けようかなあと思ったことがあるんです。あおり運転とか話題になってましたからね。ただ、ドラレコを付けたとしても、事故を起こした時、自分がデータを送るなんてできるはずがないと思いました。そんな時ドラレコを貸してくれる保険があると聞いて、それなら付けてみようかなと思っていた矢先に、ぶつけられてしまいました。

事故は駐車場の入り口の橫の道路で起きました。私の車が止まっていたら、前の車がバックしてきて、そのまま駐車場に入ろうとしたんです。突然、何も考えずに、バックしてきて、どんどん迫ってきて、私の車の前部にぶつかりました。まったく、ためらいもなく、ぶつかってきました。

乗っていたのは若い女性でした。その場で警察を呼んで、事故処理しました。そこまではいいんです。問題はその後でした。若い女性が入っていた自動車保険の会社から電話をもらいました。ネット保険です。担当の人に『バックしてきた車にぶつけられた』と説明したんです。そうしたら、『それを証明できる人はいますか?』と言われました。さらに『あなたの車にドライブレコーダーは付いてますか?』と。

日々報道される交通事故のニュースだが、その真因は報道されることはない。
写真=iStock.com/gentlelight
日々報道される交通事故のニュースだが、その真因は報道されることはない。(※写真はイメージです)

『いえ、付けてません』と答えました。すると『じゃあ、証明できる人はいませんね』。その後、担当の人が『私はうちのクライアントさんを信用してますので』という言い方をしたんです。まるで私が嘘をついているような……。誰だってカチンときますよね。だって、ぶつけたのは向こうですからね。その時、思いました。あ、これはもう車にドライブレコーダーを付けていないと、当てられた事故でも証明できないなって」

「逆突事故」の過失割合は?

事故の後、北川さんはあいおいニッセイ同和損保の4つのテレマティクス保険のうちの「タフ・見守るクルマの保険プラス(ドラレコ型)」に入った。

なお、バックしてきた車にぶつけられた事故は専門用語では「逆突事故」と呼ぶ。車がバックする時、後方不注意が原因で、他の車に衝突する事故だ。逆突事故の場合、過失割合はぶつけた方が10でぶつけられた方(北川さん)はゼロとなるケースが多い。だが、結局は北川さんはゼロにはならなかった。相手は北川さんの車の修理費の8割は支払った。残りの2割は北川さん自身が保険を使って自己負担したのである。8万円程度だった。なお、北川さんは相手の車修理代に対しては一切、払っていない。

もし、北川さんが裁判に持ち込めば相手の過失割合はもっと増えた可能性もある。しかし、裁判をやれば時間とお金がかかる。それを考えて、数万円程度なら払ってもいいとしたのである。しかし、彼女には、もやもやした感情が残った。そして、ドラレコ貸与のテレマティクス保険に入った。

ドライブレコーダーの通信機能

北川さんは言った。

「市販のドラレコを買うのではなく、借りるかたちにしました。カー用品店へ行ってドライブレコーダーを買えばそっちの方が安いかもしれません。ただ事故を起こした時に、ドライブレコーダーのデータを自分自身で操作して保険会社に送ることが自分ではできないと思いました。自動でやってもらえると聞いたのが一番大きかったです」

テレマティクス保険をアドバイスした同席の保険代理店の人間はこう補足した。

「あいおいニッセイ同和損保が提供するドライブレコーダーのいいところは、通信機能が付いていることです。事故の衝撃が起きたら、そのデータが即時にコールセンターに送られるんです。そして、送られてきたデータをすぐにAIにかけて、過失があるのはどちらで、しかも過失割合もある程度までわかるのです」