毎日「体重計に乗る」のが結局いい

私が勧めるのは、毎日朝夕に体重計に乗ることである。世の中にはいろいろなダイエット法があるが、じつは一番効果的なダイエット法は、毎日体重計に乗ることだと言われている。

体重計に乗る女性の足
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

毎日カロリーを計算するより、自分の身長に合わせて標準体重を決めて、その範囲に入るように食事を節制する方が、簡単でストレスなくできる。

本書で述べたように、年齢によって上昇しているが、死亡率が一番低いBMIは女性で21〜27、男性で23〜27なので、この値をもとに死亡率が低い理想体重を計算すると、身長160センチの女性は54〜69キロ、身長170センチの男性は66〜78キロとなり、かなり許容度がある。

若干ゆるい基準という印象ではあるが、体重がオーバーしている人はこの範囲に収まることを目標にして、ゆっくりと減量していけばいい。加えて、糖質・炭水化物や蛋白質は1グラム4キロカロリー、脂質は1グラム9キロカロリーであることくらいは覚えておくとよいだろう。

元気な高齢者は「肉を食べる」

バランスよく食べることは大事だが、高齢になると筋肉が衰えるサルコペニアが問題になる。

北村俊雄『東大名誉教授が教える 死なない生き方』(日本経済新聞出版)
北村俊雄『東大名誉教授が教える 死なない生き方』(日本経済新聞出版)

筋肉を増強するためには、蛋白質をたくさん含む肉や魚を食べることが勧められる。中でも蛋白質を構成する要素であるアミノ酸のうち、分岐鎖アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンが重要である。

高齢になっても元気な人は肉をたくさん食べている印象がある。知り合いの90歳の著名な先生は、若い人でも息が切れる神戸北野町の坂道をスタスタと登られ、ステーキハウスでは、かなり量が多いコースを完食された。筋力をつけて歩くことが健康の秘訣だ。

一方、魚にはDHAやEPAのような不飽和脂肪酸が多く含まれているので、健康的な食品と言える。特に青魚がいいと言われているが、神経質に考えすぎなくてもいい。極端な偏りがなければ、好きなものを食べることを楽しむ、それが明日への活力になるはずだ。

(参考文献)
・「お酒を飲むとぐっすり眠れる?」国立精神・神経医療研究センターHP
・『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』(日本動脈硬化学会、2022年版)
・「ビタミンDの構造・代謝・作用」津川尚子(『副甲状腺・骨代謝疾患診療マニュアル(改訂第2版)』診断と治療社、2015年)
・『腎臓が寿命を決める〜老化加速物質リンを最速で排出する』(黒尾誠、幻冬舎新書、2022年)
・「グルカゴン・GLP-1、GIPの創業革命」(北村忠弘/企画、『実験医学2024年9月号』、羊土社)

北村 俊雄(きたむら・としお)
神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター長、東京大学名誉教授

1956年大阪府で生まれ兵庫県で育つ。東京大学医学部卒業後、内科研修を経て医学部第3内科に入局。国立がんセンター研究所ウイルス部に出向して白血病ウイルスの実験に従事した。その後、第3内科に戻り血液内科の臨床と研究を行う。32歳で米カリフォルニア州DNAX 分子生物学研究所に博士研究員として留学。37歳で小さな研究室で独立。40歳で帰国し、東京大学医科学研究所で日本初の寄付講座を担当。1991年、同研究所先端医療研究センター教授。同センター長を経て、2022年から現職。