元気な精子が2匹しかない!

『妊活バイブル』でも男性不妊の例を取材しましたが、その男性は「自分が原因でも、早くに気がついてよかった。妻は問題なく若いから、治療して授かることができた」と言っています。

そのご夫婦は2人が28歳のときに社内結婚しました。2人とも忙しい仕事でしたが、奥さんが「子どもがすぐに欲しい」ということで、最初から子づくりには積極的でした。まず2人でタイミング法(排卵日に合わせてセックスをする。排卵日は排卵チェッカー(市販)などで測ると正確にわかる)で試し、2カ月ほどですぐに2人で病院にいきました。

「まさか自分に原因があるなんて、夢にも思わなかった」と夫は言います。

一方、奥さんは全く問題なし。そして夫は「元気な精子が2匹しかいない」という「乏精子症」と診断されました。

男性にとってはプライドを傷つけられる問題です。

その後2人で話し合い「不自然とか言っていられない。とにかく治療してがんばろう」という結論に達しました。

男性不妊の専門のクリニックで治療し、漢方薬などで改善し、顕微授精(体外受精。卵子を取り出し、1匹の精子をガラス管で注入し、受精させ、体内に戻す方法)で第1子を授かり、その後第2子も授かりました。

「男性はどうしても楽観的になってしまうので、奥さんが強く言ったほうがいい」と彼は言っています。

その後2人は「男性不妊の伝道師」のように、友人たちにこの体験を伝えるようにしています。すると、彼らの周りは早くに子どもを持つ人が増えたそうです。

知り合いで不妊治療に苦労した人がいたら、夫婦で、または夫から夫に話をしてもらうといいですね。