それはさておき、検査で原因があればさらに精査し、適切な治療に入るという過程になりますが、ここでは「奥さんが淡々とすすめる」ことがコツだそうです。男性は内心はかなりビビっているはずなので、奥さんが感情的にならないほうがいいのだそうです。

繰り返しになりますが、とにかく重要なのは2人で病院に行くこと。例えばフランスでは公費で不妊治療が受けられますが、夫婦で行かないと治療を開始してくれません。それほど「2人の問題」だという認識が進んでいます。ある病院は「夫婦カルテ」を用意してくれるそうです。

日本でも昔は「女性の問題」と思われていた不妊ですが、今では「男性の原因が半分」と知られています。

ある女性は不妊治療をずっと受けていましたが、妊娠できない。頼み込んでやっと夫に病院に行ってもらい、夫が原因の男性不妊とわかったのですが、その時は奥さんの年齢が行き過ぎていて、結局妊娠できなかったという話を聞きました。

「男性がもっと早く来てくれたら、妊娠できたのに……」という残念なケース。男性のプライドが、女性の妊娠できる時期を奪ってしまったというケースです。

男女ともに最初に病院に行くのは、「子どもがほしい」という気持ちの温度差を埋め、共有するためです。

奥さんだけがどんどん情報を仕入れ、先行すると、夫はついてこられません。最近の若いカップルは「健康診断」に行くような気軽な感じで、「病院にいってみました」と報告してくれます。

そのぐらいのライトな感じになるといいですね。