大量の定跡を、受験勉強のように覚える

ここで少し説明が必要となる。将棋には様々な戦術があるが、それぞれに序盤から中盤に至る最善とされる手順がある。これが「定跡」だ。ところが、最近はその定跡がいくつも枝分かれして膨大な量に及び、戦術によっては終盤の途中、互いの王将を追い詰めるあたりまでの手順がすでに提示されているのである。無論むろん、AIを使った研究によるものだ。

そしてプロ棋士は、受験勉強のようにそれらを記憶することを強いられる。そうしなければ勝てないからだ。

同じことが、将棋のようなボードゲーム以外にも起こっている。米メジャーリーグでは過去の対戦データや試合状況をAIに学習させ、各局面で成功率の高い作戦を瞬時にはじき出すシステムが出来上がっている。攻撃側・守備側ともその通りにプレーしない選手は、結果が良くてもしばしばマイナス査定がなされるという(Number Webなど)。