中身不明のスパイ防止法がいつのまに成立間近

見出しだけを見ると、あたかも「スパイ防止法」という法律が通過間近であるかのように感じさせるニュースだが、事実は異なる。スパイ防止法は、そもそも40年も前、昭和の終わりに国会に提出され、廃案になったきりの法案だ。それを2025年7月、参政党が参院選選挙期間中に持ち出してきて「日本人ファースト」のキャッチフレーズとともに必要だ、と訴えたのだ。

高市早苗氏は総裁選期間中から参政党との連携を示唆しており、その流れでスパイ防止法の制定構想も語っていた。しかし、そもそも法案の条文すら不明な以上は、「制定へ」という見出しも、「日本が先進国で唯一包括的な同法を持たない」も不正確である。

だが、Xのトップページには「本日のニュース 高市早苗氏、自民党総裁選勝利でスパイ防止法制定へ」というテキストが10月6日の昼間から24時間近く出続けていた。これでは「新内閣でスパイ防止法ができる」「スパイ防止法がないのは日本だけ。ならば必要だ」と誤解する人も出るだろう。一種の世論誘導につながらないかと思うが、生成しているのはAIだ。誰が責任を取るというのだろう。