世界123カ国で実施された「同性愛者に優しい国」調査で、上位を占めたのは、EU諸国を中心とする欧米の国々。日本は50位だった。
2位のアイスランドでは、2010年6月27日に合法化されたと同時に当時の女性首相が、長年のパートナーであった女性作家と正式に入籍したことでも話題となった。
同性愛は、日本の企業社会でまだまだタブーな話題の一つだが、欧米では官僚や有名経営者がカミングアウトするようになってきている。
「日本企業でダイバーシティの話をすると、女性活用、障害者雇用の促進など、具体的な個別課題を明確にして対策を話し合う傾向がある。しかし、モノカルチャーで育った日本人には、本来のダイバーシティの概念が理解しきれていないまま、言葉ばかりが独り歩きしています」。人材マネジメント会社、HRファーブラ代表取締役の山本紳也さんは話す。日本企業の遅れというより、文化的背景によるところが根深いようだ。
「同性愛については隠そうと思えば隠せることだけに議論の対象となることは少ない。しかし、国際社会で日本企業が同等にふるまうには、人はそれぞれ“個”によって、嗜好性も、常識も、価値観も異なるのだという、本来のダイバーシティを理解することが不可欠でしょう」
(ライヴアート=図版作成)