『松野・西村・萩生田氏 更迭へ 高木氏も 世耕氏交代を検討 安倍派5人衆を一掃 裏金疑惑』(12月10日)
この記事は当コラムでも5人衆を考えるうえで前回も引用したのだが、そのときから違和感が一箇所あった。それは「安倍派5人衆を一掃」という部分である。「一掃」ってかなりキツい表現だ。タブロイド紙や週刊誌ならともかく一般紙(朝日)の一面トップに「誰かの意思」もしくは「感情」が入っているみたいで違和感がある。
見出しに込めた「願い」
ここでいう安倍派の「一掃」とは当然、岸田首相の意思を指す文脈だ。ところが後日、次の内容が読売新聞に書かれていた。
《一掃案は自民内で確かに一時検討されたが、首相は「そんな簡単な話ではない」と慎重な考えを周囲に示していた。しかし、報道などで独り歩きする格好となり、同派の中堅議員は「打倒岸田の始まりだ」などと猛反発した。》(12月15日)
いかがだろうか。ここでいう「報道などで独り歩きする格好」とは朝日新聞の見出しのこと。つまり朝日新聞は岸田首相がまだ否定的なうちから「安倍派を一掃しろ」と朝日自身の願いを込めて見出しを打ったようにも思える。さらに安倍派を煽り、怒りを首相に向ける仕掛けにもなっている。見事に政局を焚きつけていないか?
思えば「朝日新聞対安倍晋三」はずっと因縁の対決であった。朝日新聞を「口撃」する安倍首相という構図はよく見てきた。その意趣返しが今おこなわれているのだろうか?
いずれにしても安倍派と自民党の「闇」が暴かれ始めた。政治家、新聞、検察。各方面の思惑と動向が見逃せないのである。