副業で頼みやすい、頼まれやすい職種
大企業には多様な部署が存在するが、中堅中小企業はそうはいかず、他部署の人が兼務したり、外注したりする仕事がある。本業に特化した組織づくりを進めているために、こうしたことが起きる。とくに社歴の浅い企業や、ITなど専門家集団の中堅中小企業では、守りに弱い陣容になっていることが多い。
中堅中小企業に不足しがちな社内部門とその業務内容としては、
・人事(社員の人事評価制度づくり、社内研修制度、人材採用方法、労務手続き)
・総務(服務規程に代表される社内制度づくり、備品管理と受発注システム、電話やメールの応対マニュアル、秘書業務)
・広告、広報(広報紙の作成、広告や広報のコンテンツづくり、企業ツールとしてSNSの活用、ネット広告の利用、就職サイトの立ち上げと運用)
・制作(グラフィックデザイン、コピーライティング、写真撮影、漫画・イラスト)
・システム(ネットを活用した直販システムづくり、顧客データの有効活用、社内情報の共有システム)
・営業(各種マニュアルづくり、顧客開拓とリストづくり、海外での営業活動、海外営業拠点づくり、海外の代理店選定とその仲介)
・企画開発(企画立案、アイデアの捻出、技術者や学識経験者の紹介や仲介)
・チャネル(新規チャネル開拓、店舗開発、店舗運営)
・販売(販売員教育、スタッフの教育マニュアルづくりと研修、海外事業展開、海外企業との提携)
・経営(中期事業計画の策定、新規事業開発)
などがある。
こうした業務に日常携わっている大企業の人材なら、テーマを絞って仕事を依頼すれば、小規模企業では対応できない専門性を発揮してくれるかもしれない。副業で仕事を依頼し、能力が高い人材であることがわかれば、継続的に仕事を依頼していき、将来は社員として迎え入れることも視野に入る。逆に期待したほど専門性を備えていない場合には、副業の依頼を終了すれば済む。
お金をかけずに、「副業人材」を見つける方法
正社員やアルバイトと同様に、人材を斡旋する紹介会社に依頼したり、広告を掲載したりする以外に、工夫すれば独自の方法で人材を集めることができる。たとえば、次のような方法だ。
・大企業と仕事をしている経営コンサルタント、企業向け研修講師、会計士(会計事務所)、弁護士などから、営業、経営、総務、会計、人事などの部門や窓口を紹介してもらう
・ビジネススクールの教授や大学教授から卒業生や関係者の紹介を受ける
・フェイスブックなどSNSに副業人材募集専用のサイトを立上げて募集する
・フェイスブックなどSNSに投稿している大企業の社員と懇意になり、人脈を拡げていく
・ブログなどで副業について執筆している人を見つけて、自社の状況を説明し、自社情報と求める人材の専門分野に関する資料を送り、ブログで紹介してもらう
・副業報酬の明示とともに、副業専用のオフィス空間や週末に利用できるオフィス空間を用意し、メディアで報道されるように広報活動に取り組む
など、他社にない独自の方法で人材を募集したい。