青木先生に学ぶ4つの“捨てる”英語

【1】8割捨てる
英語の授業では日本語と英語が100%一致しないと減点されたため、ニュアンスまで完璧に伝えようとしてしまうのが日本人の悲しい性。思い切って言いたいことの8割を捨て、本質の2割を伝えることに専念しよう。たとえば外国人に「お昼は何を食べたの?」と聞かれ、「焼き肉定食」と答えるとき。焼き肉とは屋内でやるバーベキューのことで、定食はそれにライスがつくもので……と丁寧に説明しようと欲ばらない。I had beef for lunch.で十分。

【2】大人語を捨てる
たとえば子供に、「“説教”ってナニ?」と聞かれたら、I say “You shouldn't do that!” など、できるだけ簡単な単語で、簡単に表現しようと努めるだろう。このように、無理に「大人語」で表現しようとせず、「子供語」で話しても、言いたいことはちゃんと伝わるのだ。アメリカの5歳児は英語がペラペラだが、使っている言葉はおよそ1000語。これは日本の中学生が習うのとほぼ同数。ということは、中学レベルの単語力でほぼ会話は可能!

【3】直訳を捨てる
「英語は単語力」と叩き込まれてきた日本人。しかし覚えたはずの単語が出てこないと、パニックになってしまう。そんなときは直訳を捨て、見たままを言えばOK。たとえばカバの話をしたいのにhippopotamus(ヒポポタマス)という単語が出てこないとき。A big animal(大きい動物で)、It's gray(灰色で)などと見たままの特徴を並べていけば、You mean hippopotamus?(あなたが言ってるのはカバのこと?)と、相手が察してくれる。

【4】抽象語を捨てる
「シラを切る」のような抽象的な単語は、別の言葉で言い換えるのが難しい。そんなときは抽象語を捨て、「出来事・事実・発言」をそのまま言ってみよう。たとえば、あとで食べようと楽しみに取っていたおやつを食べられたとする。問い詰めたが「彼女はシラを切っている」と言いたいときは、彼女の発言や行動をそのまま言葉にするのだ。She was like “I don't know anything”.(彼女は「私は何も知らない」と言っているかのようだ)で十分伝わる。

すてる英語トレーナー 青木ゆか
学生時代の辛い留学経験から、英語上級者たちを分析した結果、英語表現のニュアンスへの固執を捨てると話せることを発見。「捨てる」英語術をノウハウ化し、すてる英語トレーナー、プロ講師として活動。著書『ずるいえいご』がベストセラーに。英語への自信を自分の自信につなげて輝く人をつくることがミッション。
(長山清子=構成)
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