外に出たがる認知症患者のため「ニセのバス停」を作る

入所者が「私は用事があるから家に帰る!」と言うや、職員が「では、バスが来るまで待っていてくださいね」と優しく言い、バス停の前まで誘導することもあります。もちろん、いくら待っても実際にバスが来ることはありません。

フォークス誌(Focus)のオンライン記事では、バス停で「2分」待っただけで、自分が何をしようとしていたか忘れてしまう認知症患者が紹介されています。さらに不思議なことに、彼らはバス停で待った後でホームに戻ると、「お出かけしてきた」気分で満足しているのだといいます。バス停留所が入所者の心の安定のために大きな役割を果たしていることがわかります。