「おかえりモネ」など性格きつめの役で注目された今田
一方、今田美桜は高2でモデル事務所に入ったものの、当初は「学業優先」で、高3のときには「東京で俳優になりたい」という思いが強まっていたが、両親には伝えられず、その葛藤を知った担任が三者面談で両親を説得。「タイムリミットは、みんなが大学を卒業する22歳」という条件で俳優への挑戦を認められるが、そこから福岡でモデル活動をしながらオーディションを受け続け、約1年の“芸能浪人”を経て現事務所の社長に声をかけてもらい、上京したという苦労人だ(Yahoo!ニュース特集2020年2月9日)。
また、最初から主演など華々しい道を歩んできた橋本と違い、今田は演技仕事においても地道なキャリアを重ねている。朝ドラ「おかえりモネ」(2021年度上半期)では、華やかな雰囲気ながらガツガツした野心家の気象予報士・神野マリアンナ莉子役で強い印象を残し、晴れて今回、朝ドラヒロインとなったわけだが、そもそも役者として注目されたきっかけは“悪役”での巧みさだった。
「花のち晴れ~花男Next Season~」(2018年)では、いじめっ子役として、ぶりっ子と小悪魔の二面性を声のトーンや表情、仕草などで見事に演じ分け、話題になった。また、「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(2019年)でも読者モデルの“女王様”キャラである高校生を熱演。
今田は脇役からスタートし、2022年に初めて連ドラ主演
そうして群像劇や学園ドラマで、アンサンブルキャストのひとりとして徐々に知名度を上げていき、2022年の「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(2022年)で連続ドラマ初主演。そこからは生方美久脚本の「いちばんすきな花」(2023年)でカルテット主演、「花咲舞が黙ってない」第3シリーズ(2024年)と順調に主演を重ねている。
今田の場合、アイドル活動はほとんどしておらず、もともと俳優を目指して上京しただけに、芝居に対する高い熱量と、作品選びの巧さが大きな武器となっている。
たたかれやすい名作リメイクにおいてもそうだ。例えば、「花咲舞~」では前シリーズ主演の杏の評判が良かっただけに、放送開始当初はネガティブな意見もあったが、回を重ねるごとに今田の全力の元気ぶりと正義感の強さに惹かれる人が増え、結果的に今田の認知度と人気をさらに高めることに。かつては石田ひかりが演じた「悪女~」もそうだった。