手を洗うべき3つのタイミング

対策②手洗い

人は1分間で、無意識に3回顔を触ると言われています。それだけの頻度でウイルスを口や鼻に運ぶ可能性があるんですね。なのでこまめに手を洗うことが望ましいのですが、「こまめに洗おう」といっても子供はピンと来ず、結局洗わない……となってしまいます。ですから、最低限「帰宅後」「トイレの後」「食事前」の3つのタイミングで洗うように促してください。

泡立て石鹸で腕まで手洗い
写真=iStock.com/cattosus
※写真はイメージです

・帰宅後

帰宅後に手を洗う理由はもうわかりますね。そうです。電車やバス、換気の悪い教室など、帰宅後は、外からウイルスや細菌をたっぷりと持ち込んでいる、ある意味一番汚染された状態。それをしっかりと洗い流し(もしくは殺菌し)キレイにすることで感染を防ぎます。

・トイレのあと

ずばり、他人のうんちからの感染を防ぐためです。本人は体調を悪そうに見えなくても、知らずにウイルスに感染している場合、うんちとともにウイルスが排せつされています。

例えばノロウイルスやロタウイルスが原因でウイルス性胃腸炎になっていた場合、腸の中にはものすごい量のウイルスがいる状態です。受験生以外の家族が無症状で感染していた場合、家のトイレに、それらのウイルスがものすごい量べったりとついている……というふうにイメージいただけたら。

ちなみに風邪を引き起こすウイルスや新型コロナウイルスも腸管をとおって、うんちと共に排泄されていることがまあまあの頻度であります。

受験生が絶対避けたい「トイレでの感染」

つまり、トイレには危険がいっぱい! そこで感染してしまうのは本人も家族も辛いので、ただでさえピリピリする受験直前期に不要な喧嘩を生まないためにも、トイレから出たらしっかりと手を洗いましょう。

ちなみに、手洗いは流水手洗いでも、アルコール除菌でもどちらでもOKですが、トイレ後は、しっかりと流水手洗いをする方がいいでしょう。

「なぜ?」にお答えする前にクイズです。うんちのあとはトイレットペーパーでお尻をふきますよね。このとき、何枚くらいペーパーを重ねれば、うんちの菌が手にうつらないと思いますか? 検証した研究によると、なんと少なくとも30〜40枚くらいは重ねないとついてしまうそうなんです。なのでみなさん、トイレに行ったら確実にうんちが手についている状態だと思ってください(イヤでしょうが……)。

ここでようやく、なぜアルコール消毒ではダメなのか?への回答です。

実は「手指衛生全体」からの視点で言えば、流水手洗いよりもアルコール手洗いの方が殺菌効果は高いのですが、アルコールの性質上、手にたんぱく質がついている場合には殺菌効果が激減してしまいます。

うんちにもたんぱく質が含まれるので、トイレの後は「流水手洗い」の方が良いのです。

・食事前

食事中は、特に口や鼻に手がいきやすいですよね。その前にしっかりと手をキレイにすることで、ウイルスやそのほかの病原体を直接体の中に取り込むリスクを断ち切ることができます。