平凡な主婦が横領事件を…映画『紙の月』のストーリー
映画の梨花(宮沢りえ)は、誰もが認める美人。大企業のサラリーマン・正文(田辺誠一)と結婚し、郊外に家を持つ妻で、子どもはいないが、パートで勤めだした銀行でも営業の能力を認められて渉外係の契約社員となり、公私ともに隙のない、しっかり者の女性として見られていた。銀行では、いわゆる「外回り」担当で、地主などの金持ちの家を自転車で回っては、預金や金融商品などの手配をするのが梨花の役目だ。美しく上品で丁寧な対応をする梨花は、年配の預金者たちから信頼を得ていた。
しかし、大口の預金を預けてくれている顧客・平林(石橋蓮司)の孫である大学生・光太(池松壮亮)と出会い、かなり年下の彼と体の関係を結んでから、人生の歯車が思いもしなかった方向に回り出す。彼が苦学生であり、大学の学費を祖父の平林も貸してくれないと聞いて、梨花は平林から預かった200万円を銀行の定期預金口座には入れず、光太に渡してしまう。そして、彼の前では「お金をいくらでも使える恵まれた奥様」を装うために、高い化粧品を買い、ブランドものの服を着るようになる。
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