「やりたくない」ことを手放す
「やりたくない」ことは今後どうしたら手放せるかを考えます。
たとえば、私は電話予約や、お店の検索などが苦手です。しかし、予約や検索の頻度は高いです。そんな時は、どうしたらその回数を減らせるか、と考えます。
仕事のイベントで使うお店の検索や交渉は、チームメンバーに任せる
友人、知人に好評だったお店やホテルをストックしておく
電話予約はやろうと思えばすぐにできます。そうした少しの時間を手放したところで、大きな時間は生み出せないと思うかもしれません。
大して時間がかからないことでも、嫌だと思っていると、なかなか行動に移せないことはありませんか?
つべこべ言わずに早く終わらせてしまえばいいと言う人もいるでしょう。確かに、終わってしまえばすっきりするので、それも一理あります。
ただ、これが今後も何度もあると考えると、たとえ一瞬でも、そのたびに感情が無駄に動くのは、心地よくないはずです。
「時間の長さ」を基準にするのではなく、「心地よさ」を基準に手放しましょう。
「やりたい」と「やりたくない」の間
また、「やりたい」「やりたくない」と、すでに自覚していることは、比較的簡単にラベル分けできたと思います。
しかし一方で、ラベル分けが難しい行動はありませんでしたか? 「やりたいわけではない」けど「やりたくないわけでもない」行動です。実はこの領域がとても重要です。
「やりたくない」「嫌い」は、比較的強く、自覚しやすい感情です。自覚しているので、手放すのも簡単です。
ところが、「好きではないけど、嫌いなわけでもない」「やりたいというほどではないけど、やりたくないわけでもない」というあいまいなものは、「別に苦痛ではない」と、疑うことなく「やる」一択にしがちです。実は、「時間がない」と悩んでいる人の多くは、疑わずにやることを増やし、時間に追われているのです。
そのため、「やりたいこと」と「やりたくないこと」を整理するには、「やりたいわけでも、やりたくないわけでもない」行動も明らかにし、そこでの時間の使い方を見直すことが重要です。
「やる」と選択したなら、なぜやるのか、目的意識を持ちましょう。「子どもが小さいから」「夫の帰りが遅いから」「誰も手が空いてないから」など、自分以外を主語に置くのはやめて、あなたが主語の理由を見つけるのです。
これは、「やりたくないけど、やらないといけない」ことも同じです。
目的を実現するために、やりたくないことも経験しておいたほうがいいことはあります。そうした時も、「やりたくないけど仕方ない」という感情のまま行動に移すのは危険です。
「苦手だけど、経験のためにやる」「今後手放すためにも一度自分でやってみて、全体像を把握する」など、目的を見すえたうえで「自分が決めて、やる」意識を持ってください。
そうすると、自分で時間のコントロール権を握ることができます。
TIME COORDINATE代表取締役。大学卒業後、旅行会社勤務を経て、26歳で韓国留学。その後、現地法人でキャスティングディレクターとして働く。帰国後、「タイムコーディネート術」を考案し、「タイムコーディネート実践プログラム」や「タイムコーディネーター養成講座」を開講。監修を務める『時短・効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本』(朝日新聞出版)はシリーズ100万部を突破。