困ったときに、相談に乗れる親子関係をつくる

子どもの抑うつ・不安が強いとき、子どもの感情に同調したり、ふり回されたりしていると、子どもの気持ちも安定しません。どっしり構え、見守り、不安を受け止めるよう心がけてください。子どもが、家なら休める、家族は自分を見ていてくれる、困ったら相談に乗ってもらえると思えれば、家庭が安全地帯になっているといえるでしょう。「なにがあってもあなたの味方だから大丈夫」というメッセージを伝え続けることが大事です。

【図表6】OKな親子関係
出所=『思春期の子の「うつ」がよくわかる本』(大和出版)P73 イラスト すずきえりな
OKな親子関係

<一貫性のある態度で接する>
世間や常識ではなく、親自身がよいこと、わるいことの判断に一貫性をもたせる。親への信頼につながる。

舩渡川智之『思春期の子の「うつ」がよくわかる本』(大和出版)
舩渡川智之『思春期の子の「うつ」がよくわかる本』(大和出版)

<わかったふりをしない>
親でもわからないときは「わからない」と言って、子どもに伝える。わかったふりをすると、問題を先送りにしてしまう。

<不安があっても本人にぶつけない>
子どもの前ではうろたえないようにする。不安があっても子どもにぶつけない。
自分自身のメンタルコントロールが大事。

<いつでも味方でいる>
どんな困難な状況におちいっても、子どもの安全を守り、子どもの味方でいることを示し、伝えていく。

舩渡川 智之(ふなとがわ・ともゆき)
子どもこころ専門医・指導医

日本精神神経学会指導医・専門医。日本児童青年精神医学会認定医。子どものこころ専門医・指導医。栃木県出身。2004年山形大学医学部医学科卒業。2年間の初期臨床研修を経て、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室に入局。同医局の関連病院等での研修の後、東邦大学医学部精神神経医学講座の助教に就任。以来、東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンターにて一般精神科臨床の傍ら、児童精神科医として臨床、精神病の予防・回復のためのデイケアの診療にも携わる。児童精神医学、学校精神医学、予防精神医学、精神科リハビリテーションが専門。