「欠席は3日まで」と意識しよう

【ひとし】次が4つめ、最後だね。

【はるか】4つめは「欠席は3日までと意識すること」です。4日以上連続で休んで前後に祝日などが入ると、9日以上の連休になることも。休みが続くと体がだるくなったりすることもあって、行きづらさが増してしまうんです。

【ひとし】これは「4日連続で休んだらダメだよ」みたいに子どもに伝えるの?

【はるか】いやいや、子どもには言わないでいいよ。でも、子どもが再登校をめざす場合は、「1日2日は思いっきり休むのも一つの手だけど、4日連続にはならないようにサポートしよう」というように、心の中で意識しておいてほしいんです。

【ひとし】なるほどね。どれもすごく納得できたな。だけど、理論はわかっても実際に親御さんが全部を実践するのは相当難しそうだなって印象もあるね。

【はるか】そうだね、それは間違いないと思う。でも僕は、2つめの「学校を休むメリットを生じさせない」とか、3つめの「コンプリメントをする」ってことを実践しただけで、再登校するようになった例もたくさん見てきました。なので、一気に全部は難しくても、少しずつチャレンジしていくことには必ず意味があると思います。

【ひとし】そっか。前にコンプリメントは絶対に効果がある、とも言ってたもんね。

学校へ走る小学生の男の子
写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA
※写真はイメージです

幅広い支援や選択肢を

【はるか】うんうん。ただ一方で、一口に不登校と言っても、背景にある状況はさまざまなんだよね。その子自身の特性も考えるべきだし、親子の関係性に改善点がある場合もあれば、学校との関係性にあるのかもしれない。それから、不登校を乗り越えた先の選択肢も、今回お話ししたように再登校する道もあれば、フリースクールに通うなど、たくさん考えられます。

福田遼、秋山仁志『先生、どうする⁉ 子どものお悩み110番』(PHP研究所)
福田遼、秋山仁志『先生、どうする⁉子どものお悩み110番』(PHP研究所)

僕は、「不登校は〜すべき」と考えるんじゃなくて、幅広い支援や選択肢をできる限り偏りなく検討して、「今の状況ではこんな支援がいいかも」「この子にはこの選択肢が合うかも」と丁寧に探っていくのが一番大事なことだと思っています。

なにより、子どもも親御さんも、ひとりで「自分の責任だ」と抱え込まないでほしい。スクールカウンセラーや教育相談センター、民間の不登校支援サービスなど、専門的な支援を受けられる方法も広がっていますから。

その中で僕らのポッドキャストも、みなさんの心を軽くする一つになれたらいいな、と思っています。

〔はるか先生のワンポイント〕
行きしぶりは、4つのポイントで乗り越えよう。

①学校の問題は学校に解決してもらう
②学校を休むことのメリットを生まない
③(愛情と承認の)コンプリメント(褒め言葉)をかける
④「欠席は3日まで」と意識する

福田 遼(ふくだ・はるか)
「子育てのラジオ『Teacher Teacher』」MC

1995年福岡県生まれ。九州大学教育学部卒業後、5年間の小学校教諭を経て退職。その後8カ月にわたり世界各地の教育施設を訪問。2023年4月に旧友・秋山とともに始めた「子育てのラジオ『Teacher Teacher』」ではMCを務める。24年に株式会社Teacher Teacherを組織し、無料オンラインフリースクール「コンコン」をスタート。

秋山 仁志(あきやま・ひとし)
「子育てのラジオ『Teacher Teacher』」MC

1996年福岡県生まれ。九州大学大学院システム情報科学府修了後、企業のブランディング・広告制作を行う会社に入社。その後、株式会社FUBIの音声プロデューサーとして、企業のブランドポッドキャストを企画・制作。「子育てのラジオ『Teacher Teacher』」をプロデュース・MC・編集を担う。福田とともに株式会社Teacher Teacherを組織。フリースクール「コンコン」の運営に携わる。