一気に解決しようとせず一歩ずつ進める

この経験で功を奏したのが、一気に問題を解決しようとせず、一歩ずつ進めるという作戦です。

まずは、書類にサインをさせる。

次に、相手に責任を感じさせる。

そして、大問題になるとプレッシャーをかける。

こうして、諦めずに何度も足繁く通い続け、相手にプレッシャーを与えることで、滞留売掛金の回収に成功したのでした。

粘り強さと戦略的なアプローチが、どのような困難な状況でも、突破口を開く鍵となることを学びました。

POINT
・いきなり支払いを迫るのではなく、サイン取得から始め、一歩ずつ進めて回収に成功。
・時間をかけて粘り強く問題を解決していくための戦略が必要。
オフィスでノートを書く女性
写真=iStock.com/MangoStar_Studio
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起こしてしまったクレームの金額を最小限に抑えたい

ビジネスではどんなに気を付けていても、ミスが起きてしまうこともあるものです。

そんなとき、クレーム対応に追われた経験のある人も多いでしょう。ミスの影響を最小限に抑えるにはどのような対応が必要になるのでしょうか?

私のクレーム対応でのエピソードをもとにポイントをお伝えします。

あるとき、取引先への製品納期が遅れてしまう問題を起こしてしまいました。クレームになる可能性が高く、このままでは大きな損失が出るかもしれないと感じました。

翌朝、私は始業前に相手の会社の前に立ち、直接謝罪しようと決意しました。

早朝の冷たい空気の中、相手の担当者が出社してくるのを待ちました。担当者が到着すると、私はすぐに駆け寄り、深々と頭を下げて謝罪しました。

担当者は困惑しながらも、私の真摯な態度を受け入れてくれました。「本当に申し訳ありません。まずは、今からできることすべてを行い、後れを最小限に留めます」と約束しました。

そして、「今後このようなことが起きないように致します」と伝えました。

相手からは叱責を受けましたが、私の誠意ある謝罪に対して、少しだけ態度を和らげてくれました。

その場で、私は今からできる最善の方法、すなわち、納品を最短で行うための具体的な提案をしました。

残業体制を敷く、仕上げや検品作業を協力企業で行う、納品は特急便を使うなど、製品の品質を保証した上で、今できる可能な限りの対応を迅速に手配しました。

そして、納期遅れを最小限に抑えるこれらの方法を説明したのです。「これ以上ご迷惑をおかけしないよう、最善を尽くします」と再度誓いました。