睡眠中に頭の中は整理される
起床後に集中力が高くなる理由を精神科医の樺沢紫苑さんは、次のように説明しています。
「まず、睡眠中に私たちの頭の中は整理整頓されます。夢によって、『前日の出来事』の記憶が整理整頓され、朝起きた直後の脳は、『片づけられて何も載っていないまっさらな机』のような状態になります。(略)
広々と作業スペースを使えて、仕事の効率も抜群にはかどります」(『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術』/大和書房)
人間には、「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれる体内時計があって、「地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能」(厚生労働省「e-ヘルスネット」)を持っています。脳の働きも同様で、夜は自然と集中力が低下します。太陽の動きに合わせて生活することで、限られた時間をより有意義に活用しやすくなるのです。
朝にテレビやスマホではもったいない
朝は、1日でもっとも集中力が高くなります。この時間帯に、
「テレビやスマホを見ながらダラダラ過ごす」
「朝の時間の大部分を身支度や通勤時間に取られる」
のはもったいない、と多くの著者が指摘しています。
朝の時間帯は、
「自分にとって大切なこと」
「目標に直結していること」
「集中力を必要とする負荷のかかる仕事」
に使うと、時間効率を高めることができます。
時間の使い方が上手な人は、朝のゴールデンタイムをどのように過ごしているのでしょうか。
100冊の著者が実践している「朝時間の使い方」をまとめてみました。
◆ゴールデンタイムをムダにしない朝時間の使い方
●「緊急ではないが、重要な仕事」に取り組む
「緊急ではないが、重要な仕事」には期限がないため、先延ばしにしがちです。1日のスタートに「緊急ではないが、重要な仕事」に取り組むと、会社や個人の成長をうながすことができます。
●会社の始業前に資格試験の勉強をする
「仮に毎日2時間の早朝勉強でも、半年続けたら360時間。これは『宅建士合格』に必要な一般的な勉強時間といわれる長さです。(略)
私にいわせれば『勉強のゴールデンタイムは早朝』です」(臼井由妃『55歳からやりたいことを全部やる! 時間術』/日経BP日本経済新聞出版)
ただし、難易度が高すぎると手が止まってしまうことがあります。資格試験の勉強をするのであれば、まずは簡単な復習やテキストの見直しなどから始めましょう。