「よくかむ」ことを食事のお約束に

セロトニンを出しやすい「食べもの」の次は「食べ方」のお話。あなたは食事の際、ひと口ずつよくかんで食べていますか?

角谷リョウ、サトウ未来『働く女子のための睡眠革命』(光文社)
角谷リョウ、サトウ未来『働く女子のための睡眠革命』(光文社)

「当たり前でしょ」とツッコんだ人、それがそう当たり前でもないのです。特に女性の間でやわらかいパンや“とろける食感”が人気の今、よく思い返せば「しっかりとかむ」機会は減っているはずです。

セミナーで「朝食のパンをごはんに替えてみて」とアドバイスすると、とてもつらく感じる人がいます。それくらい、やわらかいパンに慣れた人が粒食のごはんに切り替えるのには、労力がいるということ。

しかし毎食「しっかりとかむ」ことは、セロトニンを出すのにとても有効なのです。

「食事への感謝」もセロトニンの味方

20分ガムをかんだらセロトニンの分泌量が増え、メンタルが上向いたという実験結果もあります。ですから、まずはいつもの食事を「ひと口ごとにしっかりとかむ」ことを意識づけたいですね。

じつは中高齢男性よりも20~30代の女性のほうが口臭が深刻だという調査結果があるのですが、よくかんでたっぷり唾液を出すと、口臭予防にもなるというおまけつきです(笑)。

とはいえ「よくかむ」ことは単純に思えて、じつは難易度の高いアイデアのひとつです。ぜひともトライしてほしいですが、なかなか難しいという人は、まずは「食事の前後にあいさつをする」ことから始めてみて。

なんと「いただきます」「ごちそうさま」と声に出すだけでも、セロトニンの分泌が促されやすくなります。

「感謝する」という行為は、それほど脳にプラスの作用をもたらすのですね。だまされたと思ってぜひ!

女性
写真=iStock.com/miya227
※写真はイメージです
角谷 リョウ(すみや・りょう)
スリープコーチ

上級睡眠健康指導士、日本睡眠学会会員、日本認知療法・認知行動療法学会会員、日本サ ウナ学会員。ライフリー株式会社を立ち上げ、NTTドコモ、サイバーエージェントなどの法人を中心に、14万人の睡眠改善をサポートしてきた実績をもつ。短期間かつ高確率(受講者の90%以上)で効果を感じられる実践法を得意とする。最近の趣味は瞑想。瞑想でアルコール依存症を克服し、月2回・適量飲酒にまで改善した。

サトウ 未来(さとう・みく)
スリープコーチ

上級睡眠健康指導士、日本睡眠学会会員、アクションラーニングコーチ、フランス式アロマテラピー上級講師。パーソナルトレーナーを経てライフリー株式会社の共同代表となり、8万人の睡眠改善をサポートしてきた。「今日から楽しく、即実践できる」メソッド提供を得意とする。趣味は、根性を必要としないセルフケア、回復法の研究。プライベートでは1児の母となり、子供との睡眠で本メソッドをフル活用中。