広告のキャッチコピーを参考にする

長めの文章を、たとえば本や広告の見出しやキャッチコピーのように短く本質を際立たせる。そのやり方は簡単です。

1.発言の「本質の言葉」を取り出し、余分を削る
2.ワンフレーズの見出し風にまとめる

上野陽子『心に刺さる、印象に強く残る 超・引用力』(青春出版社)
上野陽子『心に刺さる、印象に強く残る 超・引用力』(青春出版社)

こうすると長い文章からでも、本質をついた名言が生み出せます。記事の見出しや広告のキャッチコピーを参考にすると、まとめやすいかもしれません。

次の例では、悩みながらも自らの改善を働きかける友人や部下などに、助言をするとします。自分ならどんなふうに伝えるか思い浮かべてみてください。

(課題例)自分から動いて、物事を変えていくよう伝える

たとえば、「まずは自分なりの企画を立ててみること。いつか自分に番が回ってくるだろうと待っていても声がかかるとは限らない」といった内容を伝えるとします。

そこに一例として、こんな短めな文章の名言を持ってくるのはどうでしょう。

人はいつだって「時間が物事を変える」と言うが、実際はあなた自身が変えなければならない。
アーティスト アンディ・ウォーホール


人間は3種類。物事を起こす人。物事が起こるのを眺めている人。「何が起こったの?」と聞く人。
ジャーナリスト アン・ランダース

そして自分の言葉で「だったら、物事を自分で変える人、起こす人になるほうがいいだろう?」と伝えてみる。

こうして名言もデータもサッと違和感なく使うことができるように、毎日の中で引用できる言葉をシャープにしておくことで、より刺さる伝わり方になるものです。

上野 陽子(うえの・ようこ)
コミュニケーション・アナリスト

カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社の執行役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『パッと探して、すぐ書ける!英文ビジネスメール モノの言い方辞典』(KADOKAWA)、『mini版1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『恋ノウタ こころに効く愛の100名言』(講談社)ほか多数。