自分を成長させる会社かどうか

ただ、会社選びで大事なことを聞いてみると、一緒に働いて、合うか合わないか、だと語っていました。そして、主体性を持つことだ、と。

日本人男性ビジネスマン
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

20代前半の頃は、やりたいことや向いていると思うことは、毎年のように変わることが多い。だから、あまり固執しないで、いろいろ試したほうがいい。就活でやりたいことを絞り込んでしまった人は、自分の可能性を狭めてしまったかもしれない、とも語っていました。

ただ、軌道修正は何度でもできるし、したほうがいい、と。

心に留めておかないといけないのは、軌道修正をしていい期間は長くないということです。だから、主体性が重要になるのです。主体性を持って選べば、将来に覚悟ができる。

上阪徹『彼らが成功する前に大切にしていたこと 幸運を引き寄せる働き方』(ダイヤモンド社)
上阪徹『彼らが成功する前に大切にしていたこと 幸運を引き寄せる働き方』(ダイヤモンド社)

そしてもう一つ、藤田さんが強調していたのは、リスクのないところにリターンはない、でした。得られるものが少ないとは、成長する機会が少ないということ。自分を成長させるには、業界や会社が成長していることが大事になる。

抜擢してもらえない。会社はわかってくれない。そんな愚痴を言っていてもしょうがない。その会社は、そういう環境なのです。

だったら、違う環境を選べばいい。自ら主体的に。

自らを守るには、キャリアを得るしかない、という言葉は印象的でした。経験が得られない環境にいることは、実は最も危険。それは、間違いないことだと思います。

上阪 徹(うえさか・とおる)
ブックライター

1966年兵庫県生まれ。89年早稲田大学商学部卒。ワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスとして独立。雑誌や書籍、Webメディアなどで執筆やインタビューを手がける。著者に代わって本を書くブックライターとして、担当した書籍は100冊超。携わった書籍の累計売上は200万部を超える。著書に『マインド・リセット』(三笠書房)、『10倍速く書ける 超スピード文章術』(ダイヤモンド社)、『JALの心づかい』(河出書房新社)、『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)など多数。またインタビュー集に、累計40万部を突破した『プロ論。』シリーズ(徳間書店)などがある。ブックライターを育てる「上阪徹のブックライター塾」を主宰。