なごやかな親子関係があると「自信」も「好奇心」も育つ

このときに、「よくそんなことに気がつけたね! さすがだね」と親御さんが子どもの視点を認め、褒めてあげると子どもは誇らしげな気持ちになり、自分に自信をつけます。同時に、「分からないことを不思議に思うことはいいことなんだな」と感じ取り、日常の中のさまざまなことにますます興味関心を持つようになります。そして、「知らなかったことが分かるのは楽しいことなんだ」と学ぶ楽しさを知り、自分から学ぶ子になっていきます。このように「なごやかな親子関係」という土壌があると、「自信」も「好奇心」も育んでいけるのです。中学受験を成功させる秘訣はまさにコレ。親としてやるべきことが多そうに感じる受験サポートですが、実は大切なことは一つです。

とはいえ、忙しい親にとって、余裕がない中でイライラしたりすることも当然あるでしょう。ゆとりを持つことは親御さん自身の心身のためにも大切ですが、そうはいってもいられない、という人も多いはず。気づいたら眉間にしわがよっている、なんてこともあるでしょう。「なごやかな親子関係」と聞いて自信がない方は、多少意識してでも機嫌良く子どもの前で過ごす時間を作ってみてください。子どももきっと落ち着いて、家の中があたたかな空間になる、それを親が感じられたら十分です。

楽しそうに話す親子
写真=iStock.com/maruco
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「受験に強い子」3つの共通点

これまで受験生を多く見てきた中で、確かに「受験に強い子」がいます。そういう子の共通点として挙げられるのが次の3つです。

①基礎学力がある

②学習習慣が身に付いている

③自分に自信がある

③「自分への自信」は、先ほど触れた「なごやかな親子関係」のもと、育まれていくものですが、これらはある程度成長し、受験勉強を進めていくうちに、自然と身に付いていくものと思われがちです。しかし、実は子どもの力だけで身に付けていくのは難しいものばかり。特に小学生の場合は、親御さんの適切なかかわりが必要になります。

第1回目の記事で、中学受験に挑戦できるかの判断基準として5つを挙げました。理想としては、中学受験の勉強を始める前の低学年のうちに学習習慣を身に付けておきたいところですが、4年生のスタート地点ではまだ不安定な子の方が多いでしょう。でも、中学受験をするのであれば、基礎学力と学習習慣は早い段階で身に付けておかないと、後々まで親子で苦労することになります。何事もはじめが肝心です。