最新式の電子秤で「量って買いやすい」工夫も
時間をかけずに買い物ができるように、斗々屋のテクノロジーパートナーとなっているはかり大手の寺岡精工(東京都)から、最新式の電子はかりを導入。たとえば玉ねぎを買いたい場合、はかりに玉ねぎを乗せます。そうすると、AIを搭載したはかりが、玉ねぎが置かれたことを感知し、画面に「玉ねぎ」などいくつかの候補が表示されます。間違いがなければ、該当するボタンを押すと、料金シールが印字される、というシステムです。
さらに、あらかじめ計量を済ませてデポジット容器に入れた商品も用意することで、量る手間なしで買えるようにもしています。2023年10月に東京・代官山にオープンした「CIRTY BIOSK by Totoya」では、容器に入れたものを多めに用意し、駅のキオスクのような便利さを前面に出しました。
冷凍のおにぎりの販売も始めました。理想は「明日からゼロウェイストの生活を始めたい人が、生活必需品から食べ物までなんでも揃えられる店」。だから、竹製の歯ブラシや量り売りのシャンプーも売っています。
「京都モデル」をつくりたい
とはいえ、スーパーでの「ゴミを減らしていこう」という取り組みは日本ではまだ浸透していません。もっといろいろな場所で量り売りやゼロ・ウェイストの取り組みに慣れてもらえたらとの願いも込めて、2024年には京都市内にあるオーガニックスーパー「HELP」と連携することにしました。HELPの1店舗で斗々屋が卸す惣菜を販売することからスタート。どちらかの店で借りたデポジット容器を、斗々屋でもHELPでも返却・返金できるようにしました。
梅田さんは「慣れていないことをするのって緊張しますよね。でも、あちこちに量り売りのお店があれば、慣れてもらえる。連携するお店を広げていって、京都モデルとして全国にも展開していきたい」と話します。