働き方改革は進めるべきだが、どうやってスピードを速めるか
長時間労働からの脱却は、心身の健康を保つためにも、家族との時間を確保する健全なワーク・ライフ・バランスのためにも必須の条件です。この流れ自体は、とてもよいことだと思います。
一方で、スピード感が求められる仕事を長時間働くことでカバーすることが難しくなっている面もあります。スピード感をもって仕事を進めていくため、現代のリーダーこそ豊臣秀吉のような「情報収集力」と「段取り力」が必要になります。
そこで、この2つの力を現代に活かすポイントを掘り下げてみたいと思います。
情報収集力については、日ごろからさまざまな情報に興味をもち、インプットすることが大前提です。情報の「質」も大事ではありますが、情報の「量」が絶対的に少なければ、情報が偏ってしまいますし、幅が広がりません。
取得した情報が即、仕事に結びつくこともあれば、たいして役立たないこともあります。
むしろ、ほとんどが関係のない情報として処理されてしまいます。
そのため、ある程度情報量を追えるようになったら、次は「こういう情報を取得したら、仕事でこのように活用したい」というストーリーを組み立てておくことをおすすめします。
これによって目的に沿った情報へのアンテナが立ち、より効率的に確度の高いニュースをキャッチできるようになります。
情報を集めマーケットの今後のストーリーを予想する
秀吉も事前に、「もし信長への反乱や勝家の攻撃があったら……」とストーリーを組み立ててアンテナを立てておいたからこそ、素早く必要な情報をキャッチできたのです。
ビジネスの現場では、新規開拓がテーマにあがることがよくあります。
この場合でも「このような新規客を獲得して売り上げアップにつなげたい」というストーリーを組み立てておくと、そのストーリーにかなった営業戦略に動きやすくなります。
私のクライアントである地方の年商100億円規模の商社では、今後の食品加工業の成長を見据えて、「食品加工業の会社を新規客として開拓していく」という方針を決めたことで、食品加工業に集中して情報を集め、効率的に営業展開するようになりました。
このように事前にストーリーを構築することが、素早い情報取得につながるのです。