履歴書に必要な「スキルセット」とは

せっかく「履歴書」のことに言及したので、最後にもう一言付け加えましょう。比較的些細な問題ではありますが、「履歴書」には、「経歴」とは別に、いわゆる「スキルセット」の記載も必要です。

英語力なら英検何級とか、TOEICやTOEFLの点数ですし、パソコン関係なら、例えばマイクロソフトのMOSスペシャリスト資格とか、MOSエキスパート資格とか、色々あります。IQも「地頭の良さ」を示す一つの指標になりますし、AtCoderのアルゴリズム系のコンテストでのレイティング(色)は、高いプログラミング能力が求められる分野では、かなり実効的な指標となります。

何はともあれ、仕事に関係があろうがなかろうが、あなたが苦労して取得した色々な資格は、全てあなたの貴重な財産です。

その資格を取る過程で得た能力そのもの以上に、「興味を持ち、勉強し、そういう資格をとった」という事実(それをもたらした意欲)の方が、もっと意味があると言ってもいいでしょう。

こんなときはできるだけ手抜きせよ

実際には、「思い切って枠から飛び出す」などということは、そんなに容易なことではありませんから、この本を読んでくださっている50代の多くの方々からは、「それよりも、今すぐできる範囲内での『改善』の方法が何かあれば、それを聞きたいんですよね」という声が聞こえてきそうです。そういう声に対しては、やはりちゃんと答えておく必要があるでしょう。

真っ先に問われそうなのは、おそらく、「会社(上司)から求められた仕事が、全く無意味なものに思えた時の身の処し方」ではないでしょうか。しかし、これに対する対応策は至極簡単です。

ここだけは、「仕事に取り組む時に心がけるべき一般原則」を頭から無視して、何も考えずに、「できるだけ手抜きする」ことをお勧めします。それで十分だと思います。

もちろん、あなたの上司はあまり愉快そうな顔はしないでしょうし、嫌味の一言ぐらいは言われるかもしれませんが、それだけで済むでしょう。そのことが、あなたの将来の進路にまで、影響を与えるなどとはとても思えません。

なぜなら、あなたに求められたのは、要するに「どうでも良い仕事」だったからです。「無意味な仕事」の本質とは、要するにその程度のものなのです。

紙を両手で丸めるビジネスマン
写真=iStock.com/AH86
※写真はイメージです