「妻の仮説」に完敗…、研究者としての敗北感
急いで、そのゲーム機の近くに行き、早速、妻と観察を開始しました。他の人がプレイしているのを見て、「妻の仮説」を確認しました。でもこれだけでは不十分です。やはり自分自身でもプレイして確認する必要があります。そして、自分でもプレイして、確認しました。……これは、「妻の仮説」を認めざるを得ない、と。
妻は私に言いました、「ほれ!」。
私は答えました、「そうだな」。
なぜか敗北感を覚える私が、クレーンゲーム機の前にいました。
さらに妻は言いました、「私も一応、理系だから」。妻は理学療法士なのです。物理学者の端くれの私は、ちょっとひきつった笑みで応えるだけ。妻に完敗した瞬間でした。その後も、妻とともにそのグーム機を観察。ゲーム機のくせも見出されました。ゲーム機の設定が変わらない間はこの「妻の仮説」が残るのです。研究と同じプロセスがゲーセンのクレーンゲームで行われ、妻の観察を元にする仮説から始まったのは、研究者としてただただ、悔しい経験です。
この悔しさをばねに、私のクレーンゲームの研究は続きます。
2006年の研究ノートに保存しておいたクレーンゲームの技
私が2006年頃に作っていた研究ノートには、当時のゲーセンで配られていた、プライズゲットの技についてのチラシがスクラップされています。
改めてこのスクラップを読み返してみると、現在のクレーンゲーム攻略にも通じる考え方だな、と思う記述がいくつかあります。
そこで、クレーンゲームの温故知新として、当時の資料からその技と難易度(星が多いほど難、最大星5つ)を、私の所感を交えつついくつか紹介したいと思います。ただし当時は、2本アーム全盛期。大型のぬいぐるみプライズも2本のアームで獲得を狙っていた時代で、今とは状況が異なっていることにご注意ください。
2024年の現在、大型のぬいぐるみプライズは、UFOキャッチャートリプルなど、3本アームでのゲーム設定がメインとなっています。とはいえ、物理的考え方は変わらないと思います。現在のクレーンゲームの楽しみ方のヒントになりそうです。