配当利回りと優待利回りはどっちを優先すべきか

ところで、日本株は近年、株主優待を廃止して配当金を増額する企業が増えています。例えば、JTや日本取引所グループなどは株主優待を廃止し、配当金が増額されています。

株主優待は廃止までは行かなくとも、改悪されるケースは意外と多い印象です。

よって、配当利回りと優待利回りでは、配当利回りを重視しつつ、優待利回りはプラスアルファで考えておく方が、長期保有において心持ちは良いと思います。

ただし、利回りの高さだけで飛びつくのはNGです。

配当利回りの計算式は「年間予想配当金÷株価×100」でした。つまり、高配当株の中には、株価が下がって配当利回りが高くなっている、不人気な銘柄や業績の悪化した銘柄が入っている可能性があるということです。

配当利回りにしろ、優待利回りにしろ、利回りだけ見て飛びつくと資産を減らしてしまいかねません。業績は好調なのか、財務は健全なのかの確認は必須です。また、1銘柄や2銘柄に集中投資すると、値下がりリスクが大きくなってしまうので、10銘柄から20銘柄に分散投資することが大切です。

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写真=iStock.com/Photobuay
※写真はイメージです

一生持ち続ける「配当+株主優待利回り」が高い銘柄の選び方

前述の通り、配当利回りを優先し、プラスアルファで優待利回りを考えるのがベターだと考えていますので、高配当株を選ぶポイントを紹介します。

●その1:配当利回り3%以上を目安に2%以上もチェック

配当利回り3%以上を条件にすると、選べる銘柄はかなり数が減ってしまいます。

配当利回りが3%に近い優良銘柄を見つけるために、配当利回り2%以上を条件に検索すると、選ぶ銘柄の幅が広がります。

配当利回りは銘柄選びの最初のフィルターとして用いるのがよいでしょう。

●その2:連続増配または現状維持か

配当金と企業の業績の間には、非常に密接な関係があります。

一般的な傾向として、業績が良ければ配当金は増額され、悪化すれば減額されます。毎年出される配当金の推移は、その企業が毎年しっかりと利益を出し続けられているかどうかを示しているともいえます。

1株あたりの配当金が前年より増えた状態を「増配」、減った状態を「減配」といいます。配当金が毎年連続で増配している株を「連続増配株」と呼び、高配当株投資を行う上では欠かせない銘柄です。企業の業績が右肩上がりで成長しているがゆえに連続増配が可能であり、安心して持つことができるでしょう。

また、増配はしていなくとも配当金の推移が横ばいになっている銘柄は、安定した経営が続いているといえます。配当金が増配、または横ばいであることを条件に探すと、配当利回りだけでは見つけられない、今後有望な銘柄を見つけることができます。