自分の意思や価値観にそぐわない指示をされたら?
従順さと自己主張の強さのバランスを見極めたい
仮説から回答を展開する想像力・構成力はある?
もちろん、コンプライアンス違反の命令を従順に受け入れる「イエスマン」は求めていません。
一方、自己主張が強すぎて業務に支障が出るのも困ります。
要はバランスです。
いずれにせよ、なぜその対応になるのか、具体的エピソードを交えて分かりやすく説明してもらい、当社で働く上で問題がないかを見極めたいと、面接官は思っています。
また、仮説を立てて、こういうケースではこう対応するといった組み立ても必要になってきます。
「緊急を要するケースなら、つべこべ言わず受け入れるが、自分の意見を反映してもらえるような雰囲気であれば、そのまま従わずに上司に提案してみる」といった具合です。
このような条件分岐や、仮説を展開する想像力や構成力も、見極めたいのです。
たとえばこういう人の場合
28歳女性、大卒。今まで新卒入社した会社に勤務。今回は2社目の転職で、同業種・同職種への応募。
NG!
↑これでは単なるイエスマンといった印象しか残りません。
OK!
逆に、提言できる状況なら、命令系統に向き合った上で従うようにします。
前職では2年前に社員の反対を押し切ってノルマ制が導入され、納得しない社員は辞めました。売上増が本来の目的なのに、戦力である社員を辞めさせるのは本意ではないはずと考え、上司に冷静に掛け合って一部を改良して頂いた経験があります。
素直さも大切ですが、声を上げることも必要と実感した次第です。
今後も状況を判断して行動していきたいと思います」
↑最終的には従うという結論でも、プロセスを構成立てて説明できています。前職の実体験を語ることにより、応募企業での活躍も期待されることでしょう。
NTTでSE、リクルーターを務めた後、1社で採用人事を含む経営企画を担当。2004年に独立開業。社労士として埼玉、東京を中心に中小企業の労務顧問を多数担い、2社の人事部長を任される等、現場最前線で人事労務コンサルを実践、労務問題と解決策を熟知。特に「モンスター社員」対策に精通。キャリアカウンセラーとして埼玉県教育委員会や自治体が運営する就労支援機関、4つの大学のキャリアセンターでの勤務を通じ就職支援実績が豊富。日本では数少ない、応募者と採用者の両面を熟知する存在。NHK、読売新聞、マイナビ転職等マスコミ取材実績多数。著書に『面接官が本音で教える集団面接・GD完全対策マニュアル』、『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)等がある。