自覚があっても非を認めようとしない…
前回の記事でも紹介しましたが、パワハラ行為者には5つに分類できるタイプがあります。
①自分の行為がハラスメントだと(まるで、あるいはほとんど)気づいていない人。【わかっていない人】
②パワハラ行為があっても、それは許容されることだと考えている人。【気にしていない人】
③相手が傷ついたり、周囲がどう思っても、気にしないか、むしろそれを楽しんでいる人。【人の気持ちがわからない人】
④注意をされても、それに逆切れし、パワハラ行為をやめようとしない人。【逆切れする人】
⑤(①から④のいずれかに該当し、さらに)自制ができない=パワハラ行為を止められない人。たとえば、すぐに怒り出して、言葉の暴力をふるうのを止められない。この人が「カーッとなる」のを防ぐのは無理と思える。【話してもムダな人】
(*①~⑤は、松崎久純「パワハラ行為者の分類 5つのタイプ その1」より)
①~⑤のどれに該当する人も、パワハラで人を苦しめているのに、ほとんどの場合、自分がわるいとは思っていません。
①の場合は、自分のハラスメント行為に気づいておらず、②の場合も許容されることと考えていますから、自分がわるいと考えていなくても不思議はないでしょう。
ところが③④のように、自覚があったり、被害者の存在がはっきりしていても、自分の非を認めようとしない人は多いのです。
「ほぼ必ずしてしまう人」を放置する組織
こうしたパワハラの行為者たちに対して、カウンセラーとしてどんな対処をするかは、前回の記事に書きましたので説明は割愛しますが、ここで着目すべきは、組織がそんなパワハラ行為者たち(パワハラで人を苦しめながら、自分がわるいとは考えない人たち)を普通に雇用している点です。
企業などが私をカウンセラーとして雇うのは、ほぼ例外なく、すでに組織内で問題が大きくなり、被害者が何人も出て、手に負えなくなってからです。
そうなるまで彼らは、ほとんどその問題とまともに向き合うことなく、パワハラ行為者を放置してきているのです。
繰り返しになりますが、パワハラの行為者たちは、(たまたまではなく)「ほぼ必ずしてしまう人たち」です。
パワハラの行為者だけでなく、(先に例として挙げた)職場で揉め事を起こす人たち、セクハラまがいのことをする人たち、手癖のわるい人たちも、同じく「ほぼ必ずしてしまう人たち」でした。
つまり、全体の中には、一定の割合で「ほぼ必ずしてしまう人」が存在するのです。これはカウンセラーをしていると、まともに実感することです。