ブルマの冒険少女、仕事、子育て、経営者というキャリアパス

しかしブルマは違う。第1話から登場し、主人公とコミュニケーションを取り、ドラゴンボールという宝物の存在を悟空に教え、冒険のきっかけをつくる。ページにつねに出ているわけではないが、物語世界のどこかで生きていて、何か発明品を持って戻ってきては、悟空達を支える。ブルマは女性の目から見ても納得のいくライフステージの変遷をたどった。

恋する冒険少女の時代を経て(ヤムチャとつきあっていた)、仕事のできる大人となり、恋愛よりはむしろ憐憫の情からベジータと結ばれて息子(トランクス)を産み、育児をし、父・ブリーフ博士から家業のカプセルコーポレーションを継ぎ、子どもの手が離れ、また仕事がノッてくる時期までもが描かれる。

やがては会長職に就いて経営手腕を見せながらも、エンジニアとして手を動かす原点も忘れない。ブルマは年齢とキャリアにあわせ、髪型も服装も変わっていく。それなりにお金はかけていそうだが機能性を優先したファッション、流行を取り入れつつ意思の強さを感じさせる髪型、足元は動きやすいブーツが多かった。

「おっぱい要員」的な造形もなく、女性も読みやすかった

胸の大きさも自然だ。ドラゴンボールにも胸の大きな女性は登場するが、さまざまだ。やはり前述のONE PIECEでは、少女と老婆(醜さが強調されることが多い)以外の現役の女性は、人体の構造上これは無理だろうというレベルで胸が大きく、それを強調する衣装も多い。おっぱいのインフレーションが起きている。細い腰骨が折れないか心配になる。

ママ友が「最近のジャンプって油断するとめちゃくちゃおっぱいの大きい女の子が出てくるので、気軽には(息子に)買えない」と話すのを聞いたことがある。神経質と思われるかもしれないが同感だ。女性にはそう感じる人もいるのだ。