管理職の転職理由は「報酬」か「キャリアアップ」か
「優秀な管理職が転職する理由は何か」という問いには、男性は「報酬アップ」、女性は「キャリアアップ」を第一に挙げた。
「20代、30代の優秀な社員の転職に悩む会社は多く、特に男性上司の方からは『報酬につられて』のような発言も耳にする。女性はキャリアの先が見えずに悩む方が多い」(白河さん)
続いて、企業が「管理職をキャリア採用するときに何を一番重視するか」という問いには、男女とも「実務能力」が挙がった。次に、男性は「マネジメント能力」、女性は「会社の風土や文化になじめるか」という項目が挙がる。
「転職者を受け入れる文化は、多様性が育っている企業にこそある」(白河さん)
女性の2位に「会社の風土や文化になじめるか」が挙がるのは、外から来た女性管理職に対する「お手並み拝見」のような厳しい周囲の目や態度があるのかもしれない。
「日本でD&Iが進まない理由は何か」の問いには、「経営者層の意識の低さ・無理解」がトップに挙がった。
「世の中の流れだからとダイバーシティを進めるだけではうまくいかない。その施策・制度に経営トップの魂が入っているかどうかが重要。ダイバーシティを進めているのに、男性中心の風土が残っていたり、男性上司の意識が低いのでは社員には響かない」(白河さん)
日本のジェンダー平等は、2023年は146カ国中、125位となった。教育と健康は世界トップクラスだが、政治と経済の値が低いという結果に。政府閣僚の男女比は世界平均よりも低いレベル。また、経済では「男女間賃金格差」は最低レベルだ。国を挙げての「ダイバーシティ推進」でも、政府や企業の本気度、その施策に魂が入っているかどうかが、今後も問われる。