「手抜き」をポジティブな食育の一環に昇華させる
今回は外食やコンビニ食を利用する際に工夫できることがいくつか見つかった。栄養バランスに配慮すると同時に、“子どもへの誠意のポーズ”や「連続性を極力なくす」といったことを念頭に置くのが肝要である。これらが実践できれば、必要以上に罪の意識をもつことなく外食・コンビニ食を利用できそうだ。
また、子どもに主体的にメニューを選ばせることで、子どもの理解度を測り、食育を直接施す有益な機会とすることもできる。
「親・保護者の手抜きのため」とだけ考えると外食・ファストフードの利用は後ろ暗く感じられがちだが、日々奮闘する親・保護者にとっては手抜きするシーンも子育てにおいて必要な一幕である。
適切な考え方と距離感で外食・ファストフードと向き合うことで、それまでネガティブに捉えられていたものをポジティブに活用することができるかもしれない。親としてはぜひ全てをいい方向に調整して、「この手抜きもポジティブな食育の一環」と胸を張れるようにしたい次第である。
管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。主にインターネット上で「食と健康」に関する啓蒙活動を行っている。猫派。著書に『新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK』(内外出版社)、共著書に、『薬局栄養指導Q&A』(金芳堂)、『謎解き超科学』(彩図社)、監修書に『子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ』(オレンジページ)がある。
早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。