揚げものや炒めものを無制限に食べ続けるのは危険
また、AGEはタンパク質の糖化したもの、といいましたが、たとえてみれば、ステーキを焼くとできる「焦げ」のようなものです。ですから、AGEはいろいろな「焦げ」のついた食べものから体内に吸収されるのです。揚げものや炒めものを無制限に食べていると、AGEが体内に蓄積してきます。
さらに、甘い飲みものでよく使われる、トウモロコシから作ったコーンシロップは、糖化を促進します。甘いジュースやソーダの成分表を見てみると、「果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「異性化糖」などと書かれていることが多いのですが、このうちの「果糖」は、飲みものや食事で摂取すると、消化酵素で分解されずに、すぐに腸から吸収されて、細胞に入っていきます。つまり、ブドウ糖のようにインシュリンのコントロールを受けないので、果糖はブドウ糖の10倍以上の速さで「糖化」を進めてしまいます。
また、「異性化糖」は、芋やトウモロコシのでんぷんからブドウ糖を作り、それをさらに果糖に変化させます。ですから、「異性化糖」と呼ぶのです。つまり、「異性化糖」もしくは「果糖ブドウ糖液糖」は、大量生産で作った(遺伝子組み換えの)トウモロコシを原料に作った「工業製品」なのです。この甘味料は、じつに多くの飲みものや食べものに使われています。この「異性化糖」も急激に血糖を上げて、多くの「糖化」をもたらすのです。
ジュースやお菓子に含まれる「果糖ブドウ糖液糖」に注意
皆さんがあまり考えもせずによくお飲みになるジュースやソーダ類、また甘いお菓子や食品の成分表を調べてみてください。「異性化糖」とか「果糖ブドウ糖液糖」などと成分表に書かれていれば、これを口の中に入れるのを制限すべきなのです。これは白内障予防だけではなく、身体中の細胞の老化をきたす「糖化」を防ぐのに、重要なことなのです。
AGEは分解されにくいので、体内にたまります。また、長時間高血糖にさらされるほど、体内で糖とタンパク質とが結びついて、多くのAGEを作るのです。
白内障などの目の病気の話題は、じつは全身の問題とも結びついていることがご理解いただけますでしょうか。目の病気は全身の状態の表れなのです。前にも述べましたように、糖尿病の方が早期に白内障になることはわりと知られています。糖尿病が内分泌代謝の異常であり、糖尿病の人の身体はこの「糖化」の問題も起こしやすい身体であることからも理解できるでしょう。