潔く力不足を認め、将来に向けた話に切り替える

たとえばこういう人の場合

45歳男性、大卒。今まで新卒入社した1社に勤務。
今回は2社目の転職で、同業種・同職種(法人営業職)への応募。

NG!
「組織上の管理層ではありませんが、前職ではアソシエイト職というポジションで基幹業務に従事しており、管理職と同じくらい重責を担っておりました」

↑実態は管理職ではないので、ごまかしにしか聞こえず、見苦しいです。

OK!
「はい、ひとえに私の努力不足だと思っています。やはりサラリーマンとして企業に入社した以上、少しでも上を目指したいという想いは私にもあります。
45歳ですから、他社で役員や部長に昇進している同級生もいます。差がついたと痛感します。
ただし、私は出世を諦めて惰性で仕事をするつもりは毛頭ありません。この転職活動もそうですが、少しでも高い地位に就き、自分の裁量を発揮し、チーム全体や部下の面倒を見ていきたいという強い想いがあります。
目の前の業務に励み、もしチャンスが巡ってきたら、通常の管理業務だけでなく、これは私だからこそできることですが、課長にもなれないミドル社員の気持ちを汲み、彼らがモチベーションを上げられるような仕組みづくりに取り組んでいきたいと思っています」

↑なれなかった理由の説明に時間をかけるより、潔く力不足を認め、将来に向けた話に切り替える方が、面接官の心証は良くなるでしょう。

中谷 充宏(なかや・みつひろ)
社会保険労務士、キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)

NTTでSE、リクルーターを務めた後、1社で採用人事を含む経営企画を担当。2004年に独立開業。社労士として埼玉、東京を中心に中小企業の労務顧問を多数担い、2社の人事部長を任される等、現場最前線で人事労務コンサルを実践、労務問題と解決策を熟知。特に「モンスター社員」対策に精通。キャリアカウンセラーとして埼玉県教育委員会や自治体が運営する就労支援機関、4つの大学のキャリアセンターでの勤務を通じ就職支援実績が豊富。日本では数少ない、応募者と採用者の両面を熟知する存在。NHK、読売新聞、マイナビ転職等マスコミ取材実績多数。著書に『面接官が本音で教える集団面接・GD完全対策マニュアル』、『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)等がある。