成長投資枠でプラスリターンを狙う

つみたて投資枠でバランスファンドやインデックスファンド、これに加えて成長投資枠でしか購入できないインデックスファンドやETFを活用するという戦略もあります。

たとえば、成長著しいNASDAQ100に投資を行う投資信託や連続増配株に投資を行う投資信託などがあります。

【図表】【投資戦略2】つみたて投資枠と成長投資枠でコア資産
出典=『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)

成長投資枠は、一定の商品が除外されているとはいえ、投資すると損するような高コスト商品が多いため、商品選択は慎重にしなければならないものの、プラスアルファのリターンを狙う戦略が可能です。

たとえば、現状、NASDAQ100に低コストで投資するなら「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」一択と言って良いでしょう。信託報酬は年0.2035%です。

連続増配株のインデックスファンドには「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」があります。S&P500構成銘柄であることに加えて、25年以上連続増配を続けている銘柄によって算出される「S&P500配当貴族指数」と連動する投資信託であり、信託報酬は年0.1155%です。

【図表】【投資戦略3】投資信託と株式でコア・サテライト戦略
出典=『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)

つみたて投資枠でインデックスファンドに投資しながら、成長投資枠で個別株に投資する戦略もあります。

NISAは利益を出さないと全く恩恵が受けられない制度ですので、株式投資の銘柄は好業績株に中長期の目線で投資することをおすすめします。株式投資でも、投資信託と同じく堅実に利益を積み上げる銘柄選び・長期保有がベターです。

最近は、各社の株式分割が進み、各証券会社で1株(単元未満株)から投資できるようにサービス拡充が進んでいるため、成長投資枠で個別株に少額投資したいという人は増えてくるでしょう。

日本株は、1株で優待がもらえる銘柄もあります。注目は自社・グループ会社の製品が割引で購入できる優待です。

たとえば、ダイドーグループホールディングス(2590)ならグループ企業の飲料やゼリーなどが10〜25%割引で購入できます。日本ケミファ(4539)でもハンドクリーム、基礎化粧品、など自社ヘルスケア商品が30%〜60%割引に。松風(7979)では薬用歯磨などが30%〜60%割引で購入できるようになります。

インフレで家計が苦しい世の中ですから、効果的に取り入れるのもよいでしょう。

逆に、コア資産を十分に築いているのであれば、成長投資枠がメインで、つみたて投資枠がサブという使い方をする方もいるでしょう。

その場合に、つみたて投資枠の使い方はひと工夫したいところです。

成長投資枠で日本株を買う場合は、つみたて投資枠では「除く日本」や「MSCI-KOKUSAI指数連動型」の投資信託に投資をすることで、分散投資効果を高めながら全世界株に投資することができます。

成長投資枠で米国株を買う場合は、つみたて投資枠で「除く米国」の投資信託に投資をするという具合です。現状、「除く米国」の投資信託は「楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド」しかないので、両投資枠を通じて全世界株に投資をする場合は、こちらになるでしょう。信託報酬は年0.202%です。