※本稿は、ソネジュンコ『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
がんになって決めた2つのこと
私はちょっと天邪鬼なところがあって、普通の人なら絶対に「こっちのコースを選ぶはず」というようなところで、反対のコースを選んでしまいがち。順風満帆が保証されている道は、まず選ばない質なのです。
もともと物事に対する執着心があまりないようで、「これを絶対に失いたくない」というものが少ないように思います。
そういう生き方がかっこいいと、どこかで思っているのかもしれません。
それに拍車がかかったのが、61歳でがんを経験したときです。
還暦をすぎて、いよいよ人生の終盤戦に入るというときに死を意識せざるを得ない大病を患ったことで、「もうここまできたら何も怖いものはない」「自分の思い通りにやりたいことをやって楽しもう」と吹っ切れたのです。
そういう意味では、がんの発病は私にとって大きなターニングポイントになったと思います。
人生は有限であり、自分の人生には必ず終わりがくることを頭ではわかっているつもりでした。しかし、人生の終わりを目の当たりにして初めて、毎日が本当に愛おしくなり、日々の過ごし方と真剣に向き合うようになったのです。
その結果が本書で紹介している人間関係であったり、食事や睡眠であったりなのですが、どんな場面でも共通して大切にするようになったのが「我慢しないこと」「心地よさを優先すること」です。
この二つを自分の軸として定めることで、メンタルがそれまで以上に安定して、日々の暮らしの中に小さな幸せを感じられるようになったと思います。
コロナで膨大な自由時間ができた
100年に一度の疫病の大流行ともいわれたコロナ禍もまた、自分の生き方・考え方を見つめ直すいい機会になりました。
戦時中でもないのに緊急事態宣言が出て、「外に出てはいけない」「人に会ってはいけない」なんて、生まれて初めての経験でした。
多くの人にとって、コロナ禍はライフスタイルの強制リセットになったのではないでしょうか。私もそうなったひとりです。
私が運営するエクササイズのスタジオも一時的に閉鎖せざるを得なかったので、思いがけず膨大な自由時間が転がり込んできました。