急騰することもあるが利益を得るのは難しい
残念ながら、超低位株が「継続的な上昇モード」に切り替わることはほぼないわけですが、「一瞬の急騰劇」であれば、それほど珍しくはありません。
たとえば、超低位株で知られる不動産会社「REVOLUTION」(17円)は、2019年秋ごろ、それまで10円程度で推移していた株価は、一気に80円超まで跳ね上がりました。
その後急落、2020年春には10円台まで戻るも、同年夏には再び70円超まで急騰し、急落しました。
このように、株価が突然跳ね上がり、そしてすぐに急落するという「一瞬の急騰劇」は、超低位株によく見られる現象です。
これは意図的に株価が操作されているケースが多く、そのような銘柄を「仕手株」と言います。
超低位株は、そんな仕手株となる可能性が高いのです。
そんな急騰劇の一瞬、株価上昇のピークで売ることができれば良いのですが、通常、そんな芸当はほぼ不可能です。
多くの場合、「おおっ」と思っているうちに、株価はピークを付けて、急落してしまうことでしょう。
なので、そんなことはほぼ不可能にもかかわらず、「急騰したときに売っていれば……」と、ただただ悔しい思いをするだけなのです。
下手すれば、急騰時に思わず追加で買ってしまい、その後の急落で損失を被るリスクもあります。
いずれにせよ、そんな「一瞬の急騰劇」の際には、株価の動きに振り回されるだけで、良いことはないのです。
「以前より株価が安くなった…」お手頃感に要注意
あと、超低位株で気を付けたいのが、「以前の株価は高かったのに、超低位株の水準になった」銘柄です。
以前は、それなりの株価であった超低位株の場合、余計にお得感を感じやすく、また、「以前の株価水準に戻れば、大儲け」との期待感もあって、ついつい手を出してしまいがちなのです。これも、心のクセと言えるでしょう。
しかし残念ながら、いったん超低位株の水準まで沈んでしまえば、多くの場合、そこから這い上がるケースは少なく、むしろ、さらに下落することも少なくありません。
そもそも、以前はそれなりの株価だったのに、超低位株の水準まで下落するということは、何らかの致命的な要因があるわけですから。
たとえば、冒頭にも挙げた「サマンサジャパンリミテッド」(106円)の株価は、2014年夏ごろには1600円でした。料理レシピサイト最大手の「クックパッド」(118円)は、2015年夏ごろには2880円まで上がりました。そして、私の保有する「ペッパーフードサービス」(106円)に至っては、2017年秋ごろには、株価はなんと8000円を超えていました。
それゆえに、「以前の株価8000円からすれば、今の株価はタダみたいなものだ」と、赤字続きの会社に、ついつい手を出してしまったわけです。
そしていずれも、現在の株価は100円前後と、以前の株価から見ればとんでもなく安い水準ではありますが、残念ながら、株価上昇の見込みはほぼなく、ずっと低迷を続けています。