「理想の人」とは、自分にとって「都合のいい人」

次に、J子さんが行ったのは「理想の人リスト」を作ることだ。「理想通りの人と結婚しましょう」と伝えると、「でも、もう私はこの年齢だし」「高望みをしたら結婚できないのでは」などと尻ごみをする人がいるが、それは違う。「理想通りの人」というのは、「自分にとって都合のいい相手」のこと。世間的に「理想のスペックを持っている人」ではなく、あくまで「自分のニーズに合う人」のことなのだ。

屋外のウェディングで踊っているシニアカップル
写真=iStock.com/Adene Sanchez
※写真はイメージです

自分にとって都合のいい相手にとっては、自分もまた都合のいい相手になり得る。婚活カウンセラーとしての経験上、結婚が決まるカップルというのは、お互いが自分の理想通りであるケースがほとんどだ。だからこそ「理想の人リスト」には、自分のとっての「理想」を誰に遠慮することなく、心のままに挙げてほしい。

J子さんがよく考えた上で完成させた「理想の人リスト」は、このようなものだった。

・結婚後も親のサポートは続けたいから、実家の近くで暮らせる人。
・離婚経験者でもかまわないが、同居している家族がいない人。
・音楽の趣味が合う人。
・料理ができる人。

リストが完成したJ子さんは、結婚相談所に入会して2人目に紹介された人と、半年後に入籍した。お相手は、まさに「理想の人リスト」通りの男性。5歳上で離婚歴があり、お子さんもいるがすでに独立しており、本人はひとり暮らしをしている。料理も食べることも好きで、料理を振る舞い、一緒に食べる相手を探していた。J子さんとはクラシックの趣味も合う。

何より、彼の住まいはJ子さんの実家の隣駅にあるから、結婚してからも、いつでも両親のところへ行ってあげられる。最初は、頼りにしている娘が家を出ることを寂しがった両親も、相手のことを知ると、安心して祝福してくれたそうだ。

仕事が忙しいのは相変わらずだが、家に帰ればパートナーが温かい食事を用意して待っていてくれる。J子さんは、理想通りの生活を手に入れることができた。

「結婚はしたいけれど、婚活をする時間がない」と考えている人は、そもそも「本当に結婚したいのか」を鏡のワークで確認してみてほしい。もし「結婚したい」と望んでいるなら、婚活を最優先させるのは思っているよりも難しいことではないと気づくだろう。

伊藤 友美(いとう・ともみ)
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー

1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げないひとが選ばれる』(フォレスト出版)。