海外旅行資金は投資信託を売却してつくる

ちなみに私の夫は現在71歳ですが、60歳で会社を定年退職した頃から積み立て投資を始めて、現在も続けています。たまに夫婦で海外などに旅行へ出掛けますが、その際には積み立てている投資信託を売却して、そのお金を使っています。

空港ターミナルで歩いている乗客
写真=iStock.com/izusek
※写真はイメージです

相場の暴落があれば、その年は近場に1泊2日くらいの旅行に変更になることもあります(笑)。本人は90歳までに自分のお金は使い切ると言っていますが、それはたぶん無理で、いくらかは残ると思います。別に無理して使い切る必要もありませんが、根拠のない老後の不安を抱えてお金を使わずじっとしているのもばかばかしい話です。

シニアにとってNISAは、そうした楽しみの原資となる資産を管理する器として活用するのが理想ですし、自然だと思います。

大江 加代(おおえ・かよ)
確定拠出年金アナリスト

1967年愛知県生まれ。野村証券で一貫してサラリーマンの資産形成業務に携わり、2012年に独立。確定拠出年金の分野においてはわが国の草分け的存在で、厚生労働省社会保障審議会委員、および内閣官房「資産所得倍増分科会」構成員を務める。主な著書は『「サラリーマン女子」、定年後に備える』(日経BP)、『iDeCoのトリセツ』(ソシム)等。テレビやYouTubeでもiDeCoの専門家としてざまざまな番組やチャンネルでコメントをしている。