あいさつや返事もできない新入社員
3年近くも続いたパンデミックの影響でしょうか。新入社員のコミュニケーションスキルのレベルの低さに驚いています。あいさつや返事もできない社員が多く、声は小さくて聞こえません。そんな調子ですから、周囲に気を配った振る舞い方など期待できたものではありません。今は、どの会社でも同じようなものでしょうか――30代の新入社員研修担当者の方からのご相談です。
私は4月から新入社員研修の講師をするのが恒例のパターンで、毎年何社かで受け持っています。
4月中に数日だけ担当する会社もあれば、お盆休みの頃まで継続する会社もあります。ちょうど8月のこの時期まで、新入社員の方々と接するのが、仕事の一部として定着しています。
パンデミックの期間中、新入社員研修は、特殊な状況下で実施されましたから、新入社員の振る舞いや言動について、会社側は、かなり大目に見ていたと思います。
しかし、今年4月からの研修では、ほぼすべてがパンデミック前の状態に戻ったことから、研修の担当者たちが、新入社員の振る舞いについて、気になることを再び指摘するようになりました。
パンデミックの影響でコミュニケーションスキルが低下している
彼らが口にすることで共通するのは、パンデミックの影響で新入社員のコミュニケーションスキルが低下しているというものです。
「パンデミックが学生から人と接する機会を奪ったために、彼らはスキルを身につけられなかった。それゆえに……」と嘆かれたのが、今年度の新入社員研修時の特徴でした。
「あいさつ、返事をしない」「気が利かない」「積極的に動くことができない」。研修の担当者たちが口にするのは、こんなところですが、それぞれが大きな問題です。