「自分が貢献できること」を志望動機にする

ここまでお伝えしてきたように、「志望動機」と「原体験エピソード」を一連のストーリーで語れることが大切です。

しかし、それが難しい場合、よりシンプルで効果的な方法があります。

興味を持ったきっかけや魅力を感じるポイントはさらっと流すか、あえて触れなくてもOK。

「自分が応募先企業に対して貢献できること」を志望動機として重点的に語るのです。

「新規事業を次々と展開していらっしゃるところに魅力を感じました。私はこれまで人事・総務分野で経験を積む中で、組織拡大に伴う制度整備や評価の仕組み作りも手がけ、やりがいを感じていました。そこで身に付けたノウハウとスキルを生かし、御社の組織拡大フェーズに貢献したいと考えています」

このストーリーであれば「志望動機」として成立し、「活躍してくれそう」と期待を持ってもらえるでしょう。

「貢献ポイント」を志望動機として語るメリットは、「面接担当者を自分の土俵に連れ込める」という点にあります。

「具体的にどんなプロジェクトを手がけてきたのですか」と、経験・スキルにフォーカスされ、自己アピールをするチャンスにつながるのです。

志望動機として「貢献できること」を語るには、「企業研究」が欠かせません。求人情報はもちろんホームページも読み込むほか、ニュースリリース、経営者などのインタビュー記事、SNSでの発信など、さまざまな角度から情報を収集してください。

情報を多く集めるほど、その企業が求めている人材像をつかめるはずです。企業が求める要件に自分がマッチするポイントを見つけ出し、それを「志望動機」としてアピールにつなげるといいでしょう。

構成=青木典子

森本 千賀子(もりもと・ちかこ)
morich 代表取締役 兼 オールラウンダーエージェント

1970年生まれ。93年リクルート人材センター(現リクルート)入社。2017年morich設立、CxOレイヤーの採用支援を中心に、企業の課題解決に向けたソリューションを幅広く提案。NPO理事や社外取締役・顧問等も務め、パラレルキャリアを体現した多様な働き方を実践。NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」出演。日経オンライン等のWeb連載のほか『本気の転職』等著書多数。2022年2月、日経新聞夕刊「人間発見」の連載にも取り上げられる。二男の母。