「男性用」をつくらない理由

――羽生さんにせよ大谷選手にせよ、絶妙なキャスティングだと思いました。女性が見ても、「なんでこんなに肌がきれいなの?」という2人ですから、ジェンダーレスな共感を呼べる。

「雪肌精 クリアウェルネス UVエッセンスジェル」
「雪肌精 クリアウェルネス UVエッセンスジェル」(画像提供=コーセー)

【吉岡】大谷さんは紫外線の強いロスが本拠地なので、日やけしているのかなと思ったのですが、全然そんなことはありませんでした。やはり普段から肌を大事にケアされているのだと思います。

肌だけでなく、野球で最大限のパフォーマンスを出すために、日やけ止めで紫外線対策もされていますし、食生活もすべてストイックに管理されています。そういうところが好感につながっているのだと思います。

――御社では男性のキャラクターを起用しながらも、男性用ブランドはつくらない方針だそうですね。しかし男性と女性とでは肌の厚さや硬さ、油分の量も違うと言われていますし、男性用と女性用に分けたほうがいいという意見も出そうな気がしますが。

【吉岡】性別による肌質の差よりも、個人差の方が大きいと当社は考えています。その人固有の肌質、生活環境やテクスチャーなどの嗜好のほうが優先され、肌質は日々のお手入れによって変わるととらえています。確かに、「男性はサッパリした使用感を好むが、女性はとろみがあって保湿感の高いものが好き」などと言われています。しかし、男性はお手入れの経験が少ないため、自分の肌の状態を把握する感度が低いだけではないかと思います。経験を重ねることで商品特長を評価して買ってくれるようになるはずです。性別で分けることは、お客さまの選択肢を狭めてしまうと考えています。