眠れないときは布団から出る
私たちの体は基本的に、夜になると眠りを誘うホルモンが分泌されるので、生活リズムが整っていれば、自然に眠くなります。
入浴は、就寝1時間前には終えるようにしましょう。シャワー浴ではなく、湯船に漬かります。入浴で体温を上げると、その後1時間程度かかってゆっくり下がっていきます。すると自然と睡魔がやってくるので、そのタイミングで布団に入ると、スムーズに眠ることができます。
スマホを見るのは、寝る1時間前までにします。スマホから得られる情報は、視覚的にも内容的にも刺激が強いものが多く、特にニュースは内容がネガティブでもポジティブでも感情が動きやすいので、避けた方がいいでしょう。
もし布団に入って30分たってもまったく眠れる気配がなければ、思い切って布団から出ましょう。布団に入ったままで「なかなか眠れない」と悩んでいると、「布団の中は眠れないかもしれない場所」と脳が記憶してしまい、翌日以降も「今日は眠れるかな……」と布団に入ってから不安になってしまいます。
布団から出てからジャーナリングをしたり、友達への感謝の手紙を書いたり、つまらない本を読んだりして、眠くなったところで布団に入ってそのまま眠りに入るとよいでしょう。
構成=池田純子
産業医・精神科医・健診医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたっている。ブログやTwitterでも積極的に情報発信している。「プレジデントオンライン」で連載中。