苦痛な時はムリに耐える必要はない
ここでは最後に、考え方のヒントになることをご紹介しましょう。
一方的に話す顧客の話くらい、いくらでも聞けると思っている人は、その顧客のことは、お金に見えているものです。
この話を聞き続けたらいくらになる、来年も契約を更新してもらえる。この人たちにとっては、これが大事なところで、相手が自分を気に入って話し続けてくれること、イコール、グッドサインなのです。
もしそう感じることができず、相手の話に耐えるのが、ただ苦痛で仕方ない時には、自分をプロテクトするのを優先してもいいでしょう。そちらを選んでも、決して間違っているわけではないことを覚えておきましょう。
もともとグローバル人材育成を専門とする経営コンサルタントだが、近年は会社組織などに存在する「ハラスメントの行為者」のカウンセラーとしての業務が増加中。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では、非常勤講師としてコミュニケーションに関連した科目を受け持っている。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ』(光文社)『英語で学ぶトヨタ生産方式』(研究社)『英語で仕事をしたい人の必修14講』(慶應義塾大学出版会)など多数。