今回、不採用になったらどうしますか?

【面接官が知りたいのはココ!】
改めて当社への想いを聞かせてほしい
(不採用後の)具体的な説明はいらないよ

これは「圧迫系」の最たるもので、かなり意地悪な質問です。特にミドルの場合、切迫した状況に追い込まれている人も多いので、精神的に動揺しがちです。

しかし、これはあくまで仮定の話。転職に大苦戦していたとしても、落ち着いて対処してください。

中谷充宏『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)
中谷充宏『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)

ある意味で、これは典型的な「裏を読まないといけない質問」と言えます。

面接官は、不採用後の具体的な取り組み、つまり「残念ですが、そうなったら他を探します」といった回答を求めているのではありません。

「今までとは違った角度から、当社への熱い想いを伝えてもらいたい。冷やかし応募でないなら、語れるはずだ」と思っているのです。

たとえば「不採用は、今は全く考えられません。御社の経理課長職として、制度会計はもちろんのこと、経営分析をはじめとした管理会計に携わりたい一心で応募させて頂きました。そして企業研究を念入りに行うなど、徹底的に準備をしてきました。だからそうした最悪の事態を想像したくはありません」というように、志望動機やそれを補完する追加エピソードなどを交えて、これがラストチャンスだと言わんばかりの、応募企業への熱い想いを語る必要があるのです。

たとえばこういう人の場合

38歳男性、大卒。新卒入社した1社に在職中(スーパーバイザー職)。今回は2社目の転職で、異業種・同職種への応募。

NG!
非常に残念ですが、そうなったら気持ちを切り替えて他社の選考に力を注いでいくことになると思います。

↑間違いではありませんが、ここは応募企業への想いを語ってください。

OK!

いま私は、御社で働くことしか考えておりません。御社のスーパーバイザー職に就きたいという強い想いで、今回応募させて頂いた次第です。

これからますます拡大していく御社のフランチャイズチェーンで、私が培ってきたSVのノウハウを活かし、そのスピード感やダイナミズムを現場で感じ取りたいと熱望しております。
もし願いが叶わない場合、現実的には現職でSV職を続けることになりますが、今は想定したくないし、この大切な面接中に想定すべきでもないと考えています。
最後に、御社で働きたい気持ちは誰にも負けない決意でこの面接に臨んでいる、ということを改めて強調させてください。

↑動揺せずに落ち着いて回答することが必須です。

その上で、今まで語れなかったエピソードを交える等、応募企業への熱い想いを改めてぶつけてください。

中谷 充宏(なかや・みつひろ)
キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)、社会保険労務士

同志社大学法学部法律学科卒。新卒入社したNTT(日本電信電話株式会社)勤務後、1社転職を経て2004年にキャリアカウンセラーとして独立。マンツーマンで依頼者の転職を支援する「就職&転職のパーソナルキャリアコーチ」。米国MBAホルダーや代表取締役といったエグゼクティブ層から、転職回数が多い等のハンデを背負った層まで、幅広い方々の転職支援の実績がある。また社会保険労務士として人事採用コンサルティングの経験も豊富で、人事部長として企業人事を一任されるケースもあり、生々しい採用現場や面接シーンも熟知。 著書に『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』、『30代後半~40代のための 転職「書類」受かる書き方』『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』『20代~30代前半のための転職「書類」受かる書き方』(秀和システム)等多数。M&Nコンサルティング