人口の増加が期待できる米国への投資が有利
投資するなら、この先人口が増加する国や地域を選ぶといいでしょう。そこで先進国の人口の将来推計を見てみると、継続的な増加が期待できるのは米国です。米国はもともと出生率が高いのですが、加えて南米から多くの移民が米国に移住して人口を底上げしています。南米にはカトリック教徒が多く、ほとんどの国で人工妊娠中絶は禁止されていますから、基本的に多産です。今後もそれは変わらないでしょう。移民の増加で彼らのようなラテン系の人口比率が上がれば上がるほど、出生率は高くなるでしょう。結果的に米国の人口は今後、30年、40年先も増え続けると考えられます。
前述のように人口の増加はGDPにプラス要因として働くので、投資するなら日本よりも米国が有利です。このところ円安が進み「これから海外投資するのは不利ではないか」と考える人もいると思いますが、長期的な視点に立てば、米国の優位性はまだまだ高まりますから、遅くはありません。
ただ今回のインフレは、ある程度の期間続くと私は考えています。過去の例を見るとインフレ時には株価は上がりにくくなります。実際に70年代のインフレ時のNYダウの推移を見ると、上昇と下降を繰り返すボックス相場の状況が続き、長期低迷していたことがわかります。
株価が上がらないのなら、「投資しないほうがいいのでは」と考えるかもしれませんが、インフレ時に最も避けるべきは資産を現金で保有することです。株式や不動産(リート)などインフレに強いといわれる資産を保有すべきでしょう。銘柄選びを間違えなければ、物価上昇に対抗できる程度の上昇は期待できます。