葛藤の日々を支えた「ライフ・イズ・チョイス」

新城さんは今年4月から、埼玉中央支社へ異動となった。ここは支部長の地元採用の割合が全国でも高く、女性の活躍の場を広げていくことがミッションになっている。まさにこれまで培った経験や知識を生かして、サポートできる充実感もある。

今新城さんが力をいれているのが、自社の健康増進型保険“住友生命「Vitality」”を普及する職員自身がイキイキと働ける職場環境をつくること。「ウェルビーイング」を支える健康増進などのサービスを提供する商品で、そのためには職員にも「より良く生きる幸せ」を浸透することが大切。新城さんも自身の生き方を見つめ直してきた経験が生かされている。

「私が好きな言葉が『ライフ・イズ・チョイス』。通訳者・戸田奈津子さんの言葉です。人生は選択次第で、選んだことは自分で責任を持たなければいけない。秋田を離れる時も皆に負担をかけてしまうのがつらかったけれど、自分で選んだことなのだから、自分で責任を持って乗り越えていかなければいけないと自分を奮い立たせていました」

待ち望んだ6年ぶりの再会

そんな新城さんにとって一番うれしいことがあった。自信がなくて、しばらく連絡できずにいた秋田時代のメンバーに、数年前会う機会に恵まれたのだ。仕事で秋田支社に顔を出す機会があった時、当時のメンバーが笑顔で声をかけてくれたのが本当にうれしかった。その後仕事で結果が出て自分の気持ちに折り合いがついた時、最も親しかった同僚にも勇気を出して、「会いたいね」とメールを送ったら、「じゃあ、4人で会おうか」と返事が。仲間たちも誘い合わせて楽しい晩を過ごすことができた。約6年ぶりの再会が決まった時は思わずうるっとしたという新城さんは、「また目の前の仕事に邁進しようと思えたんですよね」と、その顔はとても晴れやかに見えた。

歌代 幸子(うたしろ・ゆきこ)
ノンフィクションライター

1964年新潟県生まれ。学習院大学卒業後、出版社の編集者を経て、ノンフィクションライターに。スポーツ、人物ルポルタ―ジュ、事件取材など幅広く執筆活動を行っている。著書に、『音羽「お受験」殺人』、『精子提供―父親を知らない子どもたち』、『一冊の本をあなたに―3・11絵本プロジェクトいわての物語』、『慶應幼稚舎の流儀』、『100歳の秘訣』、『鏡の中のいわさきちひろ』など。