「学び」が現役と呼ばれる時間を延ばす
前述のように、年をとっても収入を得ている人たちは、「仕事そのものが面白いから」「自分の知識・能力を生かせるから」を働いている理由に挙げています。
自分の専門が活かせる、得意とする分野、または面白いと感じる分野での仕事であれば、そもそも「好き」なのですから学ぶことに何ら抵抗がなく、その「学び」はある意味、道楽に近いものになります。
「道楽で得た知識」が世の中で役立つとなれば、この楽しい学びを継続する原動力にもなるでしょう。そして、いつしかその専門性に磨きがかかり、頼りにもされます。
そうです。だから、「好き」と思えることを仕事にするのが長く働くうえで実はポイントになるのです。
知恵というのは、「経験や知識の蓄積のなかから、いくつかの概念を結びつけて生み出される発想」です。
学ぶことによって新しい知恵がどんどん生み出され、ますます頼りにされ、高齢になっても現役で居続けることができる、という好循環が生まれます。
大手証券会社に定年まで勤務した後、2012年に独立し、オフィス・リベルタスを設立し、代表に。資産運用やライフプランニング、行動経済学などに関する講演・研修・執筆活動などを行っている。近著に『定年前、しなくていい5つのこと』(光文社新書)など。
1967年愛知県生まれ。野村証券で一貫してサラリーマンの資産形成業務に携わり、2012年に独立。確定拠出年金の分野においてはわが国の草分け的存在で、厚生労働省社会保障審議会委員、および内閣官房「資産所得倍増分科会」構成員を務める。主な著書は『「サラリーマン女子」、定年後に備える』(日経BP)、『iDeCoのトリセツ』(ソシム)等。テレビやYouTubeでもiDeCoの専門家としてざまざまな番組やチャンネルでコメントをしている。